愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
エピローグ:夢の先
エピローグ:人質だった私が夢見た先は
歓迎されないことなんてわかっていた。
それでも私は、今度こそ家族の愛を感じてみたいと不安に押しつぶされそうになりながらがむしゃらにもがいて――
「ん、んん……」
ふっと目が覚めた私がそっと窓の外を見ると、まだ空は白くなり始めたばかり。
まだまだ寝られる時間であることに安堵しつつ隣へと視線を向けると、珍しくぐっすり眠っているアルドがそこにいた。
“いつもはアルドの方が先に起きるのに”
彼の寝顔をこうしてまじまじと眺めることは初めてで、この貴重な機会に心が浮足立つ。
髪色と同じ赤褐色のまつ毛に縁どられた彼の瞳を思い出しながら、こうやって穏やかな時間に心から感謝した。
本当はこの結婚に手を上げた時、私も家族の一員だと引き留めて貰えることを期待していた。
でも今ならわかる。
幸せとは、誰かに期待し降ってくるのを待つのではなく、がむしゃらにもがき苦しみながらも自身の手で勝ち取るものなのだと。
「大好き」
「俺もだ」
「!」
眠る彼を起こさないように小声で言ったつもりなのに、平然と返事が来てドキッとする。
それでも私は、今度こそ家族の愛を感じてみたいと不安に押しつぶされそうになりながらがむしゃらにもがいて――
「ん、んん……」
ふっと目が覚めた私がそっと窓の外を見ると、まだ空は白くなり始めたばかり。
まだまだ寝られる時間であることに安堵しつつ隣へと視線を向けると、珍しくぐっすり眠っているアルドがそこにいた。
“いつもはアルドの方が先に起きるのに”
彼の寝顔をこうしてまじまじと眺めることは初めてで、この貴重な機会に心が浮足立つ。
髪色と同じ赤褐色のまつ毛に縁どられた彼の瞳を思い出しながら、こうやって穏やかな時間に心から感謝した。
本当はこの結婚に手を上げた時、私も家族の一員だと引き留めて貰えることを期待していた。
でも今ならわかる。
幸せとは、誰かに期待し降ってくるのを待つのではなく、がむしゃらにもがき苦しみながらも自身の手で勝ち取るものなのだと。
「大好き」
「俺もだ」
「!」
眠る彼を起こさないように小声で言ったつもりなのに、平然と返事が来てドキッとする。