愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
少年が渡してくれた鞍を着けて跨ると、見た目からもわかっていたがはっしりとしていて二人乗りも問題なく出来そうだ。
「さ、ミィナも」
「わ、私馬になんて乗ったことありません!」
「大丈夫、私が支えてるから」
嫌だと首を振る彼女に手を差し出す。青い顔をして拒否を続ける彼女だったが、私が笑顔のままずっと手を差し出し続けていると、このまま引かないことに気付いたのだろう。
オリーブ色のツリ目に涙を溜めながら渋々私の手に自身の手を重ねてくれたので、私はその勢いに任せ一気に彼女を引き上げる。
「ね、大丈夫だったでしょ?」
「た、高い……っ、こんな、こんなに高いなんて」
「高さだけじゃなく今から風も感じるわよ。じゃあこの馬は少し借りるわね!」
「あいよ、気を付けてな」
「両手で! 手綱は両手で持ってくださいぃ!!」
「手を振っただけじゃない」
まだ馬を歩かせてすらいないのに、私が手綱から片手を離しただけで大騒ぎするミィナ。
そんな彼女に苦笑しつつ、彼女を後ろから支えながら私は馬を走らせたのだった。
「さ、ミィナも」
「わ、私馬になんて乗ったことありません!」
「大丈夫、私が支えてるから」
嫌だと首を振る彼女に手を差し出す。青い顔をして拒否を続ける彼女だったが、私が笑顔のままずっと手を差し出し続けていると、このまま引かないことに気付いたのだろう。
オリーブ色のツリ目に涙を溜めながら渋々私の手に自身の手を重ねてくれたので、私はその勢いに任せ一気に彼女を引き上げる。
「ね、大丈夫だったでしょ?」
「た、高い……っ、こんな、こんなに高いなんて」
「高さだけじゃなく今から風も感じるわよ。じゃあこの馬は少し借りるわね!」
「あいよ、気を付けてな」
「両手で! 手綱は両手で持ってくださいぃ!!」
「手を振っただけじゃない」
まだ馬を歩かせてすらいないのに、私が手綱から片手を離しただけで大騒ぎするミィナ。
そんな彼女に苦笑しつつ、彼女を後ろから支えながら私は馬を走らせたのだった。