愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
「ミィナとラオ……えっと、あの馬のことを少しお願いしてもいいですか?」
「あぁ、それは構わないが」
「私は彼女が目覚めた時に食べさせてあげられるような果物を探してきます」
私がペコリと頭を下げると、わかったと衛兵が微笑んでくれた。
“これでミィナは安心ね”
衛兵にラオとミィナを預け外へ出る。
できれば柑橘系のさっぱりした果物がいいのだが、ここで問題がひとつ。
「……私、お金を持ってないわね」
視察しているアルド殿下について行き、街の人たちの話を少し先回りして聞いて手助け出来ることは手助けしたり、あたかも彼と同行しているように振る舞って何かしらの爪痕を残してやろうとは思っていたが、そこに買い物は含まれていなかった。
というか、そもそも最初からお金を持っていない。
“持参金すら持たせて貰えなかったのに自由に使えるお金なんてあるはずないのよね”
何かしらの宝飾品があればそれを換金出来たのだが、残念ながら手元にはない。
もしかしたら持ってきた鞄をひっくり返せば何かひとつくらいは出てくる可能性もあるが、望みは低いだろう。
「あぁ、それは構わないが」
「私は彼女が目覚めた時に食べさせてあげられるような果物を探してきます」
私がペコリと頭を下げると、わかったと衛兵が微笑んでくれた。
“これでミィナは安心ね”
衛兵にラオとミィナを預け外へ出る。
できれば柑橘系のさっぱりした果物がいいのだが、ここで問題がひとつ。
「……私、お金を持ってないわね」
視察しているアルド殿下について行き、街の人たちの話を少し先回りして聞いて手助け出来ることは手助けしたり、あたかも彼と同行しているように振る舞って何かしらの爪痕を残してやろうとは思っていたが、そこに買い物は含まれていなかった。
というか、そもそも最初からお金を持っていない。
“持参金すら持たせて貰えなかったのに自由に使えるお金なんてあるはずないのよね”
何かしらの宝飾品があればそれを換金出来たのだが、残念ながら手元にはない。
もしかしたら持ってきた鞄をひっくり返せば何かひとつくらいは出てくる可能性もあるが、望みは低いだろう。