愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!

13.教えて、センセイ!

「え、本当に成功しちゃったんですか?」
「そうね、乗り込んで同衾したという意味ではね」

 アルドへと夜這いをした翌朝、私が私室へと戻ると来てくれていたミィナが愕然とした様子でそう聞いてきたので正直に頷く。

“ただ、これじゃ子供は出来ない……わよね?”

 服の上から触りはしたが、読んだ小説ではもっと他にも色々としていた。
 けれど小説は参考にはなるが正確ではない。

 指南書ではないのだ。

「小説では男性側が主導権を握っていたけれど」

 男児が産まれず、少しでも男の子っぽくなろうと努力していたことを思い出す。
 女だから女らしく振る舞うとは限らないのだ。

“つまり、必ずしも主導権を男性側が持つ必要はないということよ!”

「ミィナ、貴女婚約者はいる?」
「は、はい? 突然なにを」
「男性経験はあるのかしら!」
「え、えぇえっ!?」
「私にアレコレ教えてちょうだい!」

 私の質問に戸惑った声をあげる彼女だったが、流石は王城メイド。
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