キミのこと、好きでいてもいいですか?

私も、みんなと一緒に空を見上げる。


夜空に、咲き乱れる花火。


ドーーン! ドドーーン!!


赤、青、黄色。色とりどりの光が、次々と夏の夜空を照らす。


きれい……。


やっぱり花火は、夏の風物詩だな。花火を見ると、夏って感じがする。


首が少し痛くなって、空を見上げていた顔を下ろすと。

どうしても目に入るのは、杏果ちゃんと千葉くんの後ろ姿。


花火の音が大きくて、相手の声が聞き取りにくいのか。

千葉くんと杏果ちゃんが時折、互いの耳元で何かを言って笑い合っている。


──ズキン。


杏果ちゃん、千葉くんとの距離が近いよ。


そんなに近づかないで……。


さっきから頭がずっと痛くて。胸も、棘が刺さったようにチクチクと痛む。


花火が打ち上げられている今、視線を花火にだけ向けていれば良いのに。


モヤモヤするのなら、そもそも千葉くんたちのことを見なきゃ良いのに……なぜか気になって見てしまうという矛盾。
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