キミのこと、好きでいてもいいですか?

「美桜ちゃんは、俺の好きな子の親友だから」

「……え?」

「美桜ちゃんが悲しんでると、アイツもよく悲しそうにしてるからさ。元気出して欲しくて」


『俺の好きな子』って。


私は目をパチパチさせ、永倉くんのほうを凝視する。


すると彼の顔は、今まで見たことがないくらい、真っ赤になっていた。


「あーあ。誰にも言ってなかったのに、言っちゃったよ」

「えっと、永倉くんの好きな子っていうのは……」

「……篠崎だよ」

「えええーーっ!」


私は、自然と大きな声が出てしまった。


「ちょっ、美桜ちゃん驚きすぎ」

「だ、だって。まさか過ぎて」


私は、口元を両手で覆う。


「香菜と同じクラスになったときも、永倉くんはため息をついたりしてたし。教室でも、いつも香菜にはあまり寄り付かない感じだったから。私、てっきり……」

「その逆。篠崎には、他に好きなヤツがいるみたいだから。篠崎のことが好きって、バレたくなくて」


そうだったんだ。
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