キミのこと、好きでいてもいいですか?
︎︎︎︎11. 千葉くんとリレー
夏休みが明けて、2学期が始まった。
「はい。それじゃあ、次はクラス対抗リレーの出場者を決めます」
9月になったものの、まだまだ残暑が厳しいこの日のLHRでは、2週間後に行われる体育祭の個人の種目決めをしている。
私は50m走に出ることが決まった。
そして今は体育祭の実行委員を中心に、クラス対抗リレーに出る人を決めるところ。
「誰か、立候補はいますか?」
実行委員が尋ねるが、クラスはシーンと静まり返ってしまう。
我が校のクラス対抗リレーは、クラス全員参加ではなく、各クラス男女2人ずつの選抜メンバーで行われる。
リレーは1人100mずつ走るのだけど、どのクラスも陸上部員などの走るのが速かったり、得意な人が出場する。
だけど、私のクラスには残念ながら陸上部の人はいない。
それどころか、運動部よりも文化部や帰宅部の人が多い。
そのためか、今のところ自ら手を挙げる人はいそうにない。
……そりゃあそうだよ。
リレーの代表なんて、そんなプレッシャーになるようなこと、できればしたくない。