キミのこと、好きでいてもいいですか?
常に誰か誰かって思ってるけど私、今まで自分から何かを積極的にやったことってあったっけ?
──思い返せばそうだ。
『橘さん。良かったら、あたしと一緒にお弁当食べない?』
高校入学のときだって、人見知りで緊張してなかなかクラスの子に声をかけられなくて。
私がひとりでいたところを、香菜に声をかけてもらうまでは、自分から勇気を出して友達を作ろうとしなかった。
そもそも、恋だってそうだ。
香菜に言われるまでは、いつもただ黙って千葉くんのことを見ているだけで。
自分から積極的に、千葉くんにアプローチしようとはしなかった。
今だってそう。
誰か立候補してくれないかな? って。他人任せにしようとしてた。
昔からダメだなぁ、こういうところ。
私は、手のひらをぎゅっと強く握りしめる。
こんな自分はきっと、変えなくちゃいけないんだ。
その『誰か』には、他の人じゃなくて自分がならなくちゃ。