キミのこと、好きでいてもいいですか?

この日の放課後から、さっそく練習が始まった。


「それじゃあ、まずはバトンパスの練習からしようか」


リレーは、バトンパスが命だと聞いたことがある。


「美桜!」

「はいっ!」


私は第2走者の香菜からバトンをもらって、アンカーの千葉くんに渡すのだけど。


リレーにおいてバトンパスの重要さを知っている私は、気合いを入れて練習に取り組むも、なぜかバトンパスが上手くいかない。


右手でもらい、左手で渡さないといけないのに、その手を間違えたりしてしまう。


もらうのも、渡すのも下手だなんて。


さっきから私のバトンパスの練習を、何度も何度も繰り返している。


みんなの練習時間を割いてしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


「まだ初日だから、気にすんなって」

「そうだよ。美桜、大丈夫大丈夫!」


優しいみんなはそう励ましてくれるけど、もし体育祭当日に私のせいで失敗しちゃったりしたら、チームのみんなに申し訳ない。
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