キミのこと、好きでいてもいいですか?
朝礼を終えて体操服に着替えた私たちは今、グラウンドにいる。
クラスカラーである水色のハチマキをポニーテールの頭にきゅっとしめると、なんだか気合が入った。
開会式が終わると、いよいよプログラムがスタートする。
私の最初の出番は、50m走。
第1走者たちのスタートを見届けると、第2走者の私もスタートラインに並ぶ。
次はいよいよ、私の番だ。
ここに立つだけで、緊張する。
「位置について、よーい……」
──パーン!
ピストルの発砲音のあと、一斉に走り出す。
う、うそ。速い……!
足の速い子はあっという間に先を行き、自分と距離が開き始めて焦りが募る。
だけど、焦ったって仕方ない。
ビリになって、クラスに迷惑をかけるのだけは嫌だから。
私は目先のゴールを目指して、自分のレーンを懸命に走り続けた。