キミのこと、好きでいてもいいですか?

それからプログラムはどんどん進んでいき、次はいよいよクラス対抗リレー。


「2年のクラス対抗リレーに出場する方は、入場ゲートに集まってください」というアナウンスが流れる。


体育祭も終盤。


今うちのクラスは7組と僅差で2位らしく、このリレーの結果次第では総合優勝も狙える位置にいるらしい。


「美桜、行こうか」


香菜に声をかけられ、二人で集合場所へと向かう。


うぅ。緊張からか、なんか胃がキリキリと痛くなってきたかも。


私が胃の辺りを手で押さえながら香菜と一緒に入場ゲートに行くと、すでに千葉くんと永倉くんの姿があった。


「おいっ。橘、なんちゅー顔してんだよ」

「だって、緊張がやばくて……」

「昨日言っただろ? 橘は何も気にせず、ただ走れば良いって」


千葉くんが私の肩に手をのせて、陽だまりみたいな笑顔を見せてくれる。


「たとえどんな順位でも、俺が橘からもらったバトンを一番にゴールまで運ぶから。何も心配しなくて良いよ」


千葉くんはどんなときでも、自信に満ちあふれていてすごい。


そしていつも、私に優しい言葉をかけてくれるね。


「ありがとう。私、頑張る」
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