キミのこと、好きでいてもいいですか?

「よーし。それじゃあ、景気づけにみんなで円陣でも組もうよ」


永倉くんの声に、私たちは4人で肩を組む。


「今まで頑張ってきたことを出し切るぞ。3組、ファイトーッ!」

「「「おーっ!!!」」」


永倉くんやみんなとのかけ声に、緊張も吹き飛んだ気がする。


ふと隣の千葉くんのほうに目をやると、ちょうど視線が重なった。


「頑張ろうな、橘」


にっこりと微笑んでくれた千葉くんに、私は力強く頷く。


千葉くんの笑顔を見るとすごく安心できて、改めて頑張ろうって思えた。


ちなみにリレーは、ひとり100mでトラック半周を走ることになっている。


「位置について、よーい……」


パーーンッ!!


ピストルの発砲音とともに、第1走者が一斉に走り出す。


「ワーーッ!!」


レースが始まった瞬間、割れんばかりの歓声に包まれるグラウンド。


「いけーーっ!」

「頑張ってえ」


みんな、自分のクラスの走者の名前を叫びながら、懸命に応援している。


私たちのクラスの第1走者は、永倉くんだ。


永倉くんはサッカー部ということもあってか、足がかなり速い。


最初から飛ばしていた彼は、他のクラスをあっという間に引き離していく。


「篠崎っ!」


永倉くんがダントツの1位で、バトンは香菜へと渡された。
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