キミのこと、好きでいてもいいですか?
「ねぇ。千葉くんの肘、血が出てるよ!?」
「えっ?」
くるりと踵を返し、走り出そうと振り上げた千葉くんの左腕からわずかに血が出ているのが見えた。
「ああ、これ? さっき部活で転んだときのかな?」
「大変! 早く手当しなくちゃ」
私はあわあわする。
「ちょっと擦りむいただけだし、大丈夫だよ。これくらい……舐めときゃ治るって」
「ああっ、ダメ! バイ菌が……!」
自分の口元へと肘を持っていきかけた千葉くんの腕を、私は咄嗟にがしっと掴んだ。
「えっ、何?!」
千葉くん、明らかに戸惑っている感じだけど……今は怪我のほうが大事だ。
……うん。出血は少ない。
「ちょっとこのまま一緒に来て!」
「えっ!?」
千葉くんに言い放つと、私は彼の腕を掴んだまま走り出す。