キミのこと、好きでいてもいいですか?
香菜が1位をキープしたまま、駆け抜けていく。
どうしよう。もうすぐ私の番が来ちゃう。
次の走者の所定の位置につくと、胸の鼓動は一気に加速する。
ドキドキしすぎて、足がガクガクと震える。
だけど、緊張はさっきもう散々したんだから。
今は何より、私に向かって懸命に走ってくれている香菜のことを応援しなくちゃ。
「香菜ー! 頑張れえ。あと少しだよ!」
私が香菜へと向かって声を張り上げているうちに、香菜がこちらに近づいてきた。
「美桜っ!」
「はいっ!」
香菜に名前を呼ばれるのと同時に、渡された青のバトン。
私はそれをギュッと握りしめて、走り出した。