キミのこと、好きでいてもいいですか?
︎︎︎︎13. 二度目の涙
体育祭が終わり、片づけが始まるグラウンド。
千葉くんのリレーでの活躍により、私たちのクラスは総合優勝を果たした。
まだ優勝した熱が冷めないなかで、私が来賓席のパイプ椅子の片づけをしていると、千葉くんがやって来た。
「橘! 俺も手伝うよ」
「えっ、いいの?」
「おう。このパイプ椅子、体育館へ持っていけば良いんだよな?」
「うん。ありがとう」
パイプ椅子を両手で持っては、グラウンドから体育館の倉庫まで運ぶ……というのを、さっきから繰り返している私。
これが、けっこう重労働で大変だから。千葉くんに手伝ってもらえるのは、有難い。
それから体育館まで何往復かして、体育祭の片づけが終了。
「橘、お疲れ」
「千葉くんもお疲れ様。リレーも1位だったし、凄かったよ」
リレーが終わったあと、千葉くんはクラスメイトやいろんな人たちに囲まれていて、そのまま閉会式になっちゃったから。
まだ、リレーのことを話せていなかったんだ。
「千葉くんが私に言ってくれたとおり、本当に1位でゴールしてくれて。私、すっごく感動した」
「橘……」
照れくさいのか、千葉くんが頭をガシガシと搔く。