キミのこと、好きでいてもいいですか?
私はすぐ近くの水道のところまで千葉くんを連れていくと、傷口を流水で洗い流す。
そして、洗い流した傷口をハンカチで何度か軽くおさえると、私はブレザーのポケットから絆創膏を取り出して貼った。
絆創膏、たまたま持っていて良かった。
「はい、これで良し。ごく簡単な応急処置だけど。そのままにしておくよりは良いかなと思って」
傷口から千葉くんのほうへと目をやると、彼はぽかんとしていた。
……しまった。私ったら、つい周りが見えなくなって。
別に頼まれてもいないのに、千葉くんの気も知らずに勝手にやっちゃってた。
「はぁ……」
彼の口からため息がこぼれる。
もしかして、呆れられちゃった?
勝手に傷の手当なんてしちゃって、やっぱり迷惑だったかな。
「ごっ、ごめん。千葉く……」