キミのこと、好きでいてもいいですか?
「今回は足の軽い打撲だけですんで、本当に良かった。昔みたいにまた、美桜が大怪我でもしてたらと思うと……うっう」
お母さんが目頭をおさえる。
「ねえ、お母さん。春くんは!?」
「“春くん”って、美桜……もしかしてあなた、記憶が戻って……?」
「うん。全部、やっと全部思い出したの! それで、春くんは……」
私が事故に遭いそうになったとき、後ろから走ってきた春くんに、思いきり突き飛ばされたのは覚えているんだけど。
そのあとすぐに気を失ったせいで、あとの記憶が全くなくて。
「ねえ、お母さん。春くんは、無事なんだよね!?」
「それが……」
私からサッと視線を外したお母さんに、嫌な予感がする。