キミのこと、好きでいてもいいですか?

15. 大好き


それから春くんは順調に回復していき、ついに退院の日を迎えた。


春くんが目覚めてからというもの、私は病院に行くことができずにいた。


だって、私は春くんに二度も振られていて。


そのうえ春くんは、私をかばって事故に遭ったのだから。そんな私が、彼に会わせる顔なんてなかった。


だけど、春くんのお母さんに来て欲しいとお願いされた私は断ることもできず、この日久しぶりに病院へと足を運んだ。


「こんにちは」

「あら、美桜ちゃん。来てくれてありがとう」


病室に着くと、春くんはすでに私服に着替えていて。

おばさんが笑顔で、私を出迎えてくれた。


「橘……来てくれてありがとう」


春くんの私への呼び方が、美桜から橘に戻っていて。胸が少しチクリとする。


だけど、そんな胸の痛みも忘れてしまうくらい、久々に会った春くんは顔色がすっかり良くなっていて、心からホッとした。
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