キミのこと、好きでいてもいいですか?
︎︎︎︎3. 初めての恋?
あれから、私の頭の中から千葉くんの存在が消えることはなかった。
学校に来ると、無意識のうちに私は千葉くんのことを探すようになっていたんだ。
登下校の際の昇降口で。
通学路で。
千葉くんのクラスの前を通るとき。
千葉くん、いるかな? って。
少しでも、千葉くんを見られたら嬉しいなって思いながら。
出会った頃から、千葉くんがサッカー部員だということは分かっていたから。
私はたまに放課後になると、グラウンドへとサッカー部の練習を見に行くようになった。
そこで知ったのは、千葉くんが女子からすごくモテるということ。
千葉くんはイケメンというだけでなく、1年生ながら次期エースと言われるくらいサッカーがとても上手だった。
「キャーッ! 春翔くーん」
「千葉くん、かっこいいーっ!」
沢山の彼のファンの女の子たちの中に紛れて、私も懸命にサッカーの応援をした。
キミに、私の声が聞こえているのかどうかは分からないけれど。
「千葉くん、頑張れ……!」
そう何度も何度も、声援を送った。
汗をかきながら、ボールを追いかける千葉くん。
シュートが決まると、嬉しそうにガッツポーズする千葉くん。
どんな千葉くんの姿も、私にはキラキラと輝いて見えた。
そして、いつもストイックに練習する千葉くんがすごくかっこよくて。
そんなキミのことを見るのが好きだった。
ただこうしてキミを見ていられるだけで良かった。