キミのこと、好きでいてもいいですか?

「あっ」


すぐ目の前には、千葉くんが立っている。


千葉くん、スラッとしていて背もほんとに高い。

確か、身長が180cmはあるって聞いた。ファンの子たちの情報だけど。


「えっと、俺に何か用かな?」


きゃ〜っ。久しぶりに千葉くんに話しかけてもらっちゃった。


こんなにも千葉くんのすぐそばに立ったのは、4月のあの日以来だ。


身長が150cmしかない私は、千葉くんを見上げる形になる。


「ええっと、千葉くん……」


こんなふうに彼に話しかけるのは、実に7ヶ月ぶりだった。


千葉くんとは初めて話すわけじゃないのに、こんなに緊張するものなのかな?


最初に千葉くんと話したときとは、また違うこの感じ。


心臓が爆発するんじゃないかってくらいに、やけにドキドキする。


もしかして、彼への気持ちを自覚したからだろうか?


「あっ、あの……」

「うん?」


千葉くんが首を傾ける。


渡さなきゃ、このペットボトルを。


今日こそは、これを無駄にはしたくない。
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