キミのこと、好きでいてもいいですか?

勇気を出すんだ、私……!


「ち、千葉くん。部活お疲れ様。これ……良かったら、飲んでくださいっ!」


私はドキドキしながら、なんとか言葉を発する。


「えっ。それ、俺にくれるの?」


私はコクコクと、何度も首を縦にふる。


きっと毎日、多くのファンの子から沢山差し入れをもらっているだろうに。

千葉くんは嫌な顔ひとつせずに、スポーツドリンクを受け取ってくれた。


ほっ。


私は、胸を撫で下ろす。


「嬉しいよ、ありがとう」


良かった。受け取ってもらえた。


恋心を自覚しただけで、こんな小さなことでも嬉しく感じるんだ。


「俺、今すごく喉渇いてるんだよね。さっそく飲ませてもらうよ」


千葉くんはペットボトルの蓋を開けると、ごくごくと飲み始める。


「あぁーっ! 運動後のスポドリは、やっぱり一段と美味いなあ」


そう言って汗を拭う彼は、そのスポーツドリンクのテレビCMに出ているイケメン若手俳優にも負けないくらい爽やかだ。


「あの……良かったらまた、ドリンク渡してもいいですか?」


つい、無意識にポロっと口からこぼれた言葉。


「……え?」
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