キミのこと、好きでいてもいいですか?
「ごめんね、香菜。長い間泣いちゃって。すぐに、元気出すから」
「ううん。泣きたいときは、思いきり泣いて。あたしの前では、無理して元気出さなくて良いよ」
「ありがとう……」
香菜の優しい言葉に、鼻の奥がツンとする。
「それに、片想いだってそう。振られたからって、すぐに諦める必要なんてない。美桜はこれまで通り、千葉くんのことを好きでいて良いんだよ」
「香菜……っ」
先ほどから、香菜の言葉がひとつひとつ私の胸に響いて。
私の傷ついた心を、癒してくれている。
今、ひとりぼっちじゃなくて良かった。
ここに香菜がいてくれて、本当に良かった。
千葉くんへの片想いを、今すぐなかったことにはできないけれど。
今日勇気を出して彼に想いを告げたことは、きっと無駄ではなかったはずだ。
今日のこの失恋が、いつか良い思い出になる日が来ると良いな。