キミのこと、好きでいてもいいですか?
︎︎︎︎5. 千葉くんと友達
千葉くんに振られた翌日から、学校は冬休みに突入。
2週間ほどの休みは、あっという間に過ぎていき、3学期初日の朝を迎えた。
「うわ、寒っ!」
家から出た途端、冷たい風がぶわっと吹き抜け、私は真っ先に制服のブレザーのポケットに手をつっこむ。
今は1月だから、晴れているとはいえ今日も凍てつくように寒い。
私は、赤のチェック柄のマフラーに顔を埋めて歩く。
ていうか、のんびり歩いてなんかいないで走ったほうが絶対に良いよね。
そう思った私は、さっそく走り出す。
「はぁ、はぁ……っ。やばい、やばいよぉ」
3学期の初日から寝坊してしまった私は今、学校に遅刻するかもしれないピンチなのです。
今日はお父さんだけでなくお母さんも仕事で、朝早くに家を出てしまっているから。
家に一人で、まだ冬休み気分だった私はウッカリ朝寝坊してしまったんだ。
いつも乗っているバスの、2本あとのバスに乗って。なんとか、学校の最寄りのバス停に着いたのは良いものの。
校門が閉まるまでは、あと10分。
バス停から学校まで徒歩15分はかかるから、正直かなり厳しいけど。
生徒指導の先生に、新学期早々反省文を山ほど書かされるのは嫌だから。
今は、とにかく走るしかない──!