キミのこと、好きでいてもいいですか?

︎︎︎︎5. 千葉くんと友達


千葉くんに振られた翌日から、学校は冬休みに突入。


2週間ほどの休みは、あっという間に過ぎていき、3学期初日の朝を迎えた。


「うわ、寒っ!」


家から出た途端、冷たい風がぶわっと吹き抜け、私は真っ先に制服のブレザーのポケットに手をつっこむ。


今は1月だから、晴れているとはいえ今日も凍てつくように寒い。


私は、赤のチェック柄のマフラーに顔を埋めて歩く。


ていうか、のんびり歩いてなんかいないで走ったほうが絶対に良いよね。


そう思った私は、さっそく走り出す。


「はぁ、はぁ……っ。やばい、やばいよぉ」


3学期の初日から寝坊してしまった私は今、学校に遅刻するかもしれないピンチなのです。


今日はお父さんだけでなくお母さんも仕事で、朝早くに家を出てしまっているから。


家に一人で、まだ冬休み気分だった私はウッカリ朝寝坊してしまったんだ。


いつも乗っているバスの、2本あとのバスに乗って。なんとか、学校の最寄りのバス停に着いたのは良いものの。


校門が閉まるまでは、あと10分。


バス停から学校まで徒歩15分はかかるから、正直かなり厳しいけど。


生徒指導の先生に、新学期早々反省文を山ほど書かされるのは嫌だから。

今は、とにかく走るしかない──!
< 34 / 162 >

この作品をシェア

pagetop