キミのこと、好きでいてもいいですか?
え。なんで、千葉くんがこっちに!?
だって彼は、もうとっくに私の先を行っていたはずなのに。
どうして、私のほうに向かって来るの!?
「橘さん。こんなところでうずくまって、どうしたんだよ」
「え?」
「もしかして、具合でも悪い?」
あっ……。
もしかして千葉くんは、私が道でうずくまっているのに気づいて、わざわざ戻ってきてくれたの?
「もし腹が痛いとかなら……俺、いま薬持ってるから。ちょっと待って」
千葉くんが、ブレザーのポケットをゴソゴソし、私に市販の錠剤を渡してくれる。
「はい」
「あっ、ありがとう」
お腹が痛いわけではないけど。
千葉くんの優しさに、胸の奥がじわりと熱くなる。
「学校は? このまま行けそう?」
「うん、大丈夫。行けるよ」
「だったら……早く俺の後ろに乗って!」