キミのこと、好きでいてもいいですか?
︎︎︎︎2. 出会いは突然に
あの事故から、4年後の春。
私は、15歳の高校1年生になった。
小学校と中学校は、地元の学校だったけど。
高校では新たな出会いを求めて、私は地元から少し離れた学校へと進学した。
そして、高校の入学式から数日が経ったある日の放課後。
私の姿は今、校庭にあった。
ほんと……綺麗だなあ。どれだけ見ていても飽きない。
そんなことを思いながら、私が校庭の満開の桜の木をじっと見つめていたときだった。
「危ないっ!」
「えっ?」
突然大きな声が聞こえ、そちらに目をやると。
サッカーボールが、私のほうへと向かって勢いよく飛んで来ていた。
うっ、うそ!? このままじゃ、ボールが顔に当たっちゃうー!
そう思い、私が咄嗟に目を閉じたとき……。
「俺に任せて」
え?
私の目の前に突然現れた黒髪の男の子が、飛んできたサッカーボールを胸の前で受け止めると、それを青空へと向かって蹴り上げた。
だっ、誰!?