キミのこと、好きでいてもいいですか?

「あっ、はい。こちらこそよろしく……って。永倉くん、いきなり下の名前呼び!?」


初対面なのに、馴れ馴れしいなこの人。


「え? もしかして、美桜ちゃんって呼ばれるの嫌だった? だったら、“ 美桜にゃん ”って、呼ぼおっと! 橘さん、子猫みたいに小さくて可愛いし」


ええっ。どうしてそうなるの!? 意味が分かんないよ、永倉くん。


「いや、あの、ぜひ、美桜ちゃんのほうでお願いします」


“美桜にゃん”なんて呼ばれるのは、さすがに恥ずかしいから。勘弁して……!


「そう? 美桜にゃんって、結構良いなって思ったんだけど。本人がそう言うなら、仕方ないか。それじゃあ、改めてよろしく。美桜ちゃん」


そう言って永倉くんは、にかっと満足そうに笑っている。
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