キミのこと、好きでいてもいいですか?
︎︎︎︎9. 勇気を出して
金曜日の夜。
「はぁ……どうしよう」
私は、自宅の部屋のベッドに座ってため息をつく。
明日は、千葉くんたちのサッカーの練習試合が行われる日なのだけど。
千葉くんに好きな子がいると知って、二度目の失恋をしたも同然の私は、明日試合の応援に行くかどうか迷っていた。
あれから私は、千葉くんと話すのが気まずく感じてしまって。
学校で、千葉くんのことを避けてしまっている。
『橘、なんで俺のこと避けてんの?』
避けだして2日が経つ頃、ついに千葉くんに聞かれてしまった。
『……ちょっと喉が痛くて、風邪気味だから。練習試合の前に、もし移したら悪いと思って』と言ったら。
この日は本当にのどが痛くて、私がマスクをしていたこともあってか、千葉くんは『大丈夫? 無理すんなよ』って言ってくれて。
心配そうな顔で千葉くんは、私にのど飴をくれたんだ。
「ほんと、優しいよ千葉くん……」
私の手には今、彼からもらったのど飴がある。
〜♪
のど飴をしばらく見つめていると、私のスマホが鳴った。
画面を見ると、メッセージが届いたようで。
その名前を見た瞬間、私の胸が小さく跳ねた。
送り主が、千葉くんだったから。