キミのこと、好きでいてもいいですか?
あのあと、家のキッチンの冷蔵庫の食材をチェックして。下ごしらえをした私。
そして、翌朝。千葉くんたちのサッカーの練習試合当日を迎えた。
「はぁ、はぁ……っ」
私は今、用意したお弁当が入った紙袋を持ってバス停から学校までの道を走っている。
お弁当を作るのに、思いのほか時間がかかってしまった。
そのうえ道路の渋滞で、バスの到着が大幅に遅れるなんて……!
今の時刻は、11時30分を過ぎたところ。
確か、午前中は学校でいつも通り部活をして。
午後から、うちの学校のグラウンドで他校との練習試合だって千葉くんが言っていたから。
急げば、お昼休憩に間に合うかな? そう思い、私は走る速度を早める。
急げ、急げっ!
懸命にただただ走り続けて、ようやく学校が見えてきた。
グラウンド……千葉くんたち、いるかな?
「あっ」
千葉くんの姿は見つけた……けど。
千葉くんはすでに他の部員と一緒に、グラウンドのベンチに座りながら、マネージャーの差し入れと思われるおにぎりを食べていた。
「マネージャー、美味いよ」
そんな声が聞こえてくる。
……間に合わなかったか。