キミのこと、好きでいてもいいですか?

それから数日後。満開だった淡いピンクの花が、少しずつ散り始めた。


だけど、まだまだ綺麗だ。


ふわりと吹いた暖かな風で、桜の花が舞い散る。


私が、校庭から校門のほうへと続く桜の木々を見つめていると。


「ねぇ」


後ろから突然誰かに、ポンポンと肩を叩かれた。


「ひっ!」


いきなり肩を叩かれたからか、変な声が出てしまった私。


「あっ、ごめん急に」


びっくりして後ろを振り返ると、そこにはユニフォーム姿の男の子が立っていた。


「「あ……」」


私たちの声が重なった。


桜の花びらがひらひらと、舞い散る中で。


私は、彼から目が離せなくなる。


忘れもしない、このイケメンくんは……。


「千葉くん……!」

「え!? なんで俺の名前……」


いきなり名前を呼ばれたからか、大きな目を更に大きく見開く彼。


やった! やっと、会えた……!


私が、思わず感激していると。


「あっ、あの……」


彼が、おずおずと口を開いた。
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