キミのこと、好きでいてもいいですか?
「橘、来てくれたんだ。サンキュー!」
千葉くん、私に気づいてくれたんだ……!
「来るのが遅くなってごめんね?」
「ううん、嬉しいよ。風邪はもう大丈夫なの?」
「うん、おかげさまで」
「そっか」
微笑んでくれる千葉くんに、思わず表情が緩む。
「おーい、柊! 橘が来てくれたぞ」
少し離れたところで、口いっぱいにおにぎりを頬張る永倉くんを、千葉くんが手招きしている。
「わ〜、美桜ちゃん! ひてふれはんだ!(来てくれたんだ)まっへたよ〜」
永倉くんが何を言ってるのか、イマイチよく聞き取れないけど。
歓迎してくれているんだろうなってことだけは、何となく分かる。
「柊お前、口の中にメシ詰め込みすぎ!」
「だって俺、腹ペコなんだもん」
そう言って、差し入れのおにぎりをもう一つ頬張る永倉くん。
「そんなに食ってると、せっかく橘が作ってきてくれた弁当が食えなくなるぞ?」
「大丈夫。美桜ちゃんの手料理は別腹だから」