キミのこと、好きでいてもいいですか?

別腹って! 永倉くんの言葉に、胸がドキッとする。


「俺、心待ちにしてたから。早く食べたい」

「分かった」


永倉くんに言われて私は、ベンチの上に今朝作ったばかりのお弁当を広げる。


鮭のおにぎりと、サッカーボールのおにぎり。玉子焼きに、ウインナー。

この前、千葉くんが美味しいと褒めてくれた唐揚げにミニトマト。それにサンドウィッチ。


私ったら、子どもの運動会の日のお弁当を作るお母さんじゃないのに重箱にまで詰めてしまって。


食べ切れるのか心配なくらいの量だ。


マネージャーさんたちの差し入れがあるって知らなかったとはいえ、はりきって沢山作りすぎちゃったかも。


「わあ、美味そう。いただきまーす」


瞳をキラキラさせた永倉くんが、さっそくサンドウィッチを手にする。


「うん。やっぱり美桜ちゃんのご飯は、最高」


永倉くんは「うめぇ」と繰り返しながら、パクパクと美味しそうに次々とおかずを平らげていく。


良い食べっぷりだな。


「美桜ちゃんって、ほんとに料理が上手だね。将来、俺のお嫁さんに欲しいかも」


……え?
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