キミのこと、好きでいてもいいですか?
「美桜ちゃん、ごちそうさま。試合前だから軽く食うはずが、美味くてつい食べすぎちゃったよ」
永倉くんが、お腹を手でポンポンと叩いている。
「ほんと。橘の弁当のお陰で、元気チャージできたから。このあとの試合も頑張れそうだよ」
千葉くんが、陽だまりみたいな笑顔を私に向けてくれる。
大好きな千葉くんの笑顔を見ることができて、良かった。
こうして二人にお弁当を『美味しい』って言って食べてもらえて。
あのとき、家に帰らずに勇気を出して声をかけて、本当に良かった。
「あのさ、俺……試合マジで頑張るから。橘、俺のこと見ててよ」
「え?」
「練習試合とは言え、相手は強豪校だから。応援、よろしく頼むわ」
う、うそぉ。まさか、千葉くんからそんなことを言ってもらえるなんて。
「分かった。頑張ってね」
「おう!」
千葉くんは拳を突き上げると、部員のみんなが集まるところへと走っていく。