キミのこと、好きでいてもいいですか?
そうだ。浴衣出しておかなくちゃ。
私は2階の自分の部屋に行き、クローゼットの奥から浴衣を取り出す。
2年前。中学3年生のときにお母さんに買ってもらった、白地にピンクの花柄が可愛い浴衣。
確か、お店で一目惚れしたんだっけ。
私が浴衣を見て懐かしい気持ちになっていると、再びスマホが鳴る。
「あっ!」
受信したメッセージを見た瞬間、胸が弾む。
【橘! 良かったら、花火大会の待ち合わせ場所まで一緒に行かない?】
それは、千葉くんからの思いもよらないお誘いだった。
う、うそ……! まさか、千葉くんから誘ってもらえるなんて。
実は最近、千葉くんと私は同じ市内に住んでいることが判明。
しかも千葉くんの家は、ウチから電車で2駅先のところにあるらしい。
そんな訳でもちろん断る理由なんてなく、私はすぐさまオッケーの返事をする。
【喜んで。一緒に行こう】
【良かった。それじゃあ、18時に駅前で待ち合わせな!】
千葉くんに『了解』のクマのスタンプを送信すると、私はスマホを胸の前で抱きしめる。
まさかの千葉くんと、花火大会の待ち合わせ場所まで2人で一緒に行くことになるなんて。
千葉くんと一緒にいられる時間が増えて、嬉しい。
よし。こうなったら、いつもよりも気合いを入れて準備しないと。