キミのこと、好きでいてもいいですか?
「これってもしかして、キミの? そこに落ちてたんだけど……」
彼の大きな手のひらの上には、見慣れた茶色のクマのぬいぐるみが、ちょこんと座っている。
あ、そのクマのぬいぐるみは……。
私が小学生の頃からずっと、大切にしているキーホルダーのクマと一緒だ。
そう思い、肩にかけているスクールバッグに目をやると、そこには金具だけしかついていなかった。
……間違いない。
「それ、私のです……」
私がそう言うと、彼はホッとしたように「そっか。良かった」と言って、小さなクマのぬいぐるみを渡してくれた。
「あっ、ありがとうございます。これ、すごく大切な物で」
私が交通事故に遭ったときも、このクマのことは肌身離さず持っていたと、お母さんに聞いたから。
「そうなんだ……可愛いね」
え!?