キミのこと、好きでいてもいいですか?

それから花火を見ながらかき氷を食べようということになり、購入したかき氷を手に、私たちは5人で河川敷へとやってきた。


土手の斜面にレジャーシートを敷いて、みんなで座る。


千葉くんの右隣に、杏果ちゃん。

その後ろに私、香菜、永倉くんの順で座っている。


「美桜のために、千葉くんの隣を空けておいたのに。まさか、西野さんに先に座られるなんて……」


香菜が、私にだけ聞こえる声で言う。


「美桜、千葉くんの左隣が空いてるけど。そこに座らなくて良いの?」

「うん、私は遠慮しとく。香菜、ありがとう」


本当は……できれば、千葉くんの隣に自分も座りたかった。なんて、西野さんのいる手前、言えないけど。


1年前の私なら多分、憧れの千葉くんをこうして近くで見ていられるだけで満足だったのに。


今はそれだけじゃ不満で、彼の隣に座りたいって思うなんて。


私、どんどんワガママになってる。


それに、千葉くんの隣で嬉しそうに会話している杏果ちゃんを見ていると、胸の奥がすごくモヤモヤする。
< 98 / 162 >

この作品をシェア

pagetop