【辛口ヒューマンドラマ】私のしあわせな結婚−32
第11話
時は、10月19日の午前9時半頃であった。
またところ変わって、日進市浅田町にある一戸建ての家にて…
この日、信孝《のぶたか》はリースバック会社のお仕事をしていた。
家の周りに数人の鑑定士さんたちがいた。
信孝《のぶたか》は、お客様と一緒に査定の様子を見守っていた。
時は、正午過ぎであった。
(ウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウー…)
ところ変わって、信包《のぶかね》が勤務しているリサイクル工場にて…
構内にひるやすみを知らせるサイレンが鳴り響いた。
作業着姿の信包《のぶかね》が外へ出ようとした時であった。
大きなバスケットを持っている里英《りえ》がまた信包《のぶかね》のもとにやって来た。
「信包《のぶかね》〜♪」
「なんだよ!!」
「一緒にごはんを食べよ♪」
「オレはひとりで食べたいのだよ〜」
「よくないわよ…午後からお仕事がたくさんあるのでしょ…一緒にごはんを食べよ♪」
「おい!!」
里英《りえ》は、信包《のぶかね》の右手をゴーインにひっぱりながら中へ入った。
この時であった。
お仕事を終えた信孝《のぶたか》が工場の付近を通りかかった。
里英《りえ》が信包《のぶかね》をゴーインにひっぱって行く様子を見た信孝《のぶたか》は、思い切りブチ切れた。
またところ変わって、工場の構内にある藤だなにて…
里英《りえ》は、テーブルの上にお弁当をならべたあとうれしい声で言うた。
「信包《のぶかね》〜」
「なんだよ!!」
「今度の日曜日は、予定をあけてね♪」
「なんで予定をあけるのだよ〜」
「その日は、ワシントンホテルへ行くのよ♪」
「ワシントンホテルへなにしに行くのだよ!!」
「ブライダルフェアへ行くのよ♪」
「ブライダルフェアだと!!」
「そうよ♪」
「なんでブライダルフェアへ行くのだよ!?」
「なんでって、信包《のぶかね》とアタシはサイコンするのよ♪」
「聞いてねえよ!!」
「もう決まったのよ♪」
「里英《りえ》!!」
「アタシはダンナが大キライだからリコンしたのよ♪」
「それじゃあ、お前はオレが好きだからサイコンするのか!?」
「そうよ…好きとケッコンは一緒よ♪」
「里英《りえ》!!」
里英《りえ》は、信包《のぶかね》に対して指切りげんまんを求めた。
「信包《のぶかね》〜…はい、指切りげんまん♪」
里英《りえ》は、信包《のぶかね》に対してゴーインに指切りげんまんをしたあと『ごはんを食べよ…』と言うた。
その後、ふたりはお弁当を食べ始めた。
またところ変わって、有松のイオンタウン内にある大垣共立銀行の支店にて…
支店のオフィスに里英《りえ》の夫・清《きよし》がいた。
清《きよし》のデスクの上に書類が大量に積まれていた。
清《きよし》は、ひどくいらついた表情で仕事をしていた。
そこへ、ランチ休みをしていた女性従業員さんがオフィスに戻って来た。
女性従業員さんは、困った声で清《きよし》に言うた。
「今江さん。」
「なんやねん〜」
「セールスマン風の男の人がものすごく怒った表情で今江さんに会いに来たようです。」
「今仕事中や〜」
「今江さん!!」
「分かったよ〜」
清《きよし》は、ものすごく困った声で言うたあと応接間へ行った。
それから数秒後に新《あらた》がオフィスに戻って来た。
新《あらた》は、困った声で言うた。
「ただいま。」
「おかえりなさい〜」
「だれが来ているの?」
「ええ、立浪《たつなみ》さまと言うてましたが…」
「立浪課長のご子息が来てるって?」
「せや…今江さんは、なんぞ悪いことしたの?」
「さあ…」
めんどくさい表情を浮かべている新《あらた》は、デスクに戻ったあとデスクワークを再開した。
ところ変わって、応接間にて…
応接間に信孝《のぶたか》と清《きよし》がいた。
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、よりしれつな怒りをこめながら清《きよし》を攻撃した。
「おいコラ!!」
「なんですか急に〜」
「オドレは今江里英《いまえりえ》のダンナだろ!!」
「そうですけど…」
「おい!!オドレの嫁がうちのきょうだいに色目を使ったようだな!!どうするつもりだ!!」
「すみません…妻は…私がキライだから…」
「嫁はオドレが大キライだからリコンしたのか!?」
「はい…」
「離婚届《ショメン》は出したのか!?」
「まだです〜」
「ほんなら出せ!!」
「出します…」
清《きよし》は、信孝《のぶたか》の怒りをしずめるために離婚届《ショメン》を出した。
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、離婚届《ショメン》を受け取ったあと清《きよし》に言うた。
「まだ大丈夫か!?」
「はい…」
「リコンを突きつけられたあとショメイナツインした…オドレはどうなんだ!?」
「はい?」
「嫁とリコンする気はあるのか!?」
「ありません〜」
「よし分かった!!」
このあと、信孝《のぶたか》は離婚届《ショメン》をズタズタに破った。
その後、怒った声で清《きよし》に言うた。
「これで解決した…今度、うちのきょうだいに色目を使ったら考えがあるから覚悟しておけ!!」
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、清《きよし》に対してボロクソに言うたあと応接間から出て行った。
信孝《のぶたか》に凄まれた清《きよし》は、ビービービービーと泣いた。
そこへ、女性従業員さんがやって来た。
「ちょっと今江さん!!きょう中に片付けなきゃいけないアンケンがたくさんあるのよ!!はよ戻ってや!!」
(バーン!!)
思い切りブチ切れた女性従業員さんは、応接間のドアをバーンとしめたあとデスクに戻った。
信孝《のぶたか》からズタズタに言われた清《きよし》は、ビービー泣きながら『チクショー!!』と叫び声をあげた。
時は、夜7時40分頃であった。
ところ変わって、半兵衛《はんべえ》の家族たちが暮らしている家の食卓にて…
食卓のテーブルに、信孝《のぶたか》と真央《まお》のふたりがいた。
テーブルの上に、真央《まお》が作った料理がならんでいた。
居間のテレビの画面に中京テレビが映っていた。
この時間は『突撃ファイル…』が放送されていた。
信孝《のぶたか》は、ものすごくいらついた表情を浮かべていた。
遅い…
信包《のぶかね》はなにをしているのだ…
この時であった。
信包《のぶかね》がつかれた表情で帰宅した。
信孝《のぶたか》は、ものすごく怒った声で言うた。
「信包《のぶかね》!!」
「なんだよにいさん〜」
「こんな遅い時間までどこにいた!?」
「オレは今、帰って来たところだよ〜」
「その時間まで今江の嫁のところにいたのか!?」
「信孝《のぶたか》さん!!やめてください!!」
「だまれ!!」
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、のみかけのサントリータコハイプレーンサワーの500ミリリットル缶を手にしたあと、一気にごくごくとのみほした。
その後、怒った表情で真央《まお》に言うた。
「おい…(テレビを)消せ!!」
「信孝《のぶたか》さん…」
「(テレビを)消せ!!」
「アタシは、『突撃ファイル…』をみてるのよ!!」
「やかましい!!」
(ガシャーン!!)
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、ニポポ人形を手にしたあとキッチンにあるガラスだなへ投げつけた。
ガラスにニポポ人形がぶつかったはずみでガラスがこなごなに割れた。
こわい…
おびえた表情を浮かべている真央《まお》は、大急ぎでテレビの電源を切った。
それから20秒後であった。
信孝《のぶたか》は、怒った声で信包《のぶかね》に言うた。
「すわれ!!」
「なんだよ~」
「すわれと言うたらすわれ!!」
「やめてください!!」
「なんやオドレ!!」
「おだやかに話し合いをしてください!!…ギャー!!」
(ガシャーン!!ガシャーン!!)
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、近くにあったかたいもの2個をキッチンのガラス戸に投げつけた。
ガラス戸の中に入っていたガラス食器がこなごなに壊れた。
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、信包《のぶかね》に対して『すわれ!!』と怒鳴りつけた。
信包《のぶかね》は、怒った声で『すわりゃいいのだろ!!』と言うたあとイスに座った。
信孝《のぶたか》は、ものすごく怒った声で信包《のぶかね》に言うた。
「オラ!!」
「なんだよにいさん!!」
「オドレはふざけているのか!?」
「なに怒ってるのだよ!?」
「オドレはいつ頃から今江の人妻《よめ》と合うようになった!?」
「里英《りえ》が勝手に来ただけだ!!」
「ウソつくな!!」
「やめてください!!」
真央《まお》は、信孝《のぶたか》に対して『やめて!!』と言うて止めた。
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、近くにあったパターを近くに置かれていたかびんに投げつけた。
(ガチャーン!!)
パターがかびんに直撃したので、かびんがこなごなに壊れた。
信孝《のぶたか》は、よりしれつな怒りをこめながら言うた。
「オレは気に入らない…オレは気に入らないのだよ!!」
「だからなにが気に入らないのですか!?」
「今江里英《あのボロおんな》が気に入らないのだよ!!今江里英《あのボロおんな》は信包《のぶかね》とどう言うカンケーがあるのだ!?」
「里英さんと信包《のぶかね》さんは、幼稚園のときからの幼なじみです!!」
「幼なじみだからなんだと言うのだ!!」
(ドスーン!!)
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、よりしれつな怒りをこめながら言うた。
「幼なじみ同士だからなんだと言うのだ!?…幼なじみ同士だから好きだと言いたいのか!?」
「ちがいますよ!!」
「それじゃあ、なんなのだ!?」
「信包《のぶかね》さんと里英さんはお友だちの関係ですよ!!」
「ふざけるな!!オレは気に入らない!!…不公平だ!!…不公平だ!!…信包《のぶかね》は女の子と一緒にお弁当を食べてもいいがオレはだめだと言うのか!?」
「そんなことは言うてません!!」
「ふざけるな!!」
(ドスーン!!ドスーン!!ドスーン!!)
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、右手に作ったこぶしでテーブルを激しく殴りつけたあとこう言うた。
「オレは小さい時から友人がいなかった!!…オレは勉強だけしていた…大学に行っても勉強一本だけに集中したから…サークル活動もゴーコンも…しなかった…サークル活動やゴーコンなんか大キライだからしなかった…楽しいことを全部ガマンしたオレの気持ちをふみにじったから許さない!!」
「にいさん!!あんまりだよ!!」
「ふざけるな!!」
「オレと里英《りえ》が仲良くしているのが気に入らないのかよ!!」
「ああ!!気に入らない!!オレに花嫁さんが来ない原因を作ったのはオドレだ!!」
「言いがかりをつけるのかよ!!」
「言いがかりをつけたのはオドレだ!!」
「やめてください!!」
「止めるな!!」
「おだやかに話し合いをしてください!!」
「だまれ!!」
「なんだよにいさん!!」
「なんやオドレ!!やっつけてやる!!」
「にいさんなんかうざいのだよ!!」
「やめて!!」
このあと、信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》がドカバキの大ゲンカをくり広げた。
「オドレばかり不公平だ!!」
「うざいのだよあんたは!!」
ドカバキの大ゲンカは、約4〜5時間に渡ってつづいた。
(ブロロロロロロロロ…)
次の日の朝10時過ぎであった。
家の前にジャンボタクシーが停まった。
ジャンボタクシーの中から半兵衛《はんべえ》と真央《まお》と絹代《きぬよ》と半兵衛《はんべえ》の妹・前田ちえみが降りた。
真央《まお》とちえみは、絹代《きぬよ》のカイジョをしながら玄関に向かった。
この日、絹代《きぬよ》が入院先の病院を退院した。
絹代《きぬよ》の身体は、まだ回復していなかった。
前の日に絹代《きぬよ》が使っていた病室が急を要する患者さんが使うことになったので、複数人の患者さんがいる病室に移された。
絹代《きぬよ》は、それが気に入らないので退院を申し出た。
そしてこの日、絹代《きぬよ》は退院した。
退院した絹代《きぬよ》は、治療をダンネンすることを決めた。
ところ変わって、広間にて…
広間のテーブルにあるイスに半兵衛《はんべえ》と絹代《きぬよ》とちえみが座った。
真央《まお》は、お茶をいれる準備に入った。
これはどう言うことだ…
半兵衛《はんべえ》は、荒れた状態になった部屋をながめながらつぶやいた。
ちえみは、ものすごく困った声で言うた。
「兄さん。」
「なんだよ~」
「ゆうべ、なにがあったの?」
お茶をいれる準備をしている真央《まお》は、つらい声で言うた。
「信孝《のぶたか》さんと信包《のぶかね》さんが大ゲンカを起こしました…原因は、信包《のぶかね》さんが今江《よそ》の人妻さんとミッカイしていたことが原因です。」
絹代《きぬよ》は、おどろいた声で言うた。
「今江《よそ》の人妻って…」
「信包《のぶかね》さんの幼なじみですよ!!」
「真央《まお》さん…」
「信孝《のぶたか》さんは、信包《のぶかね》さんばかり不公平だと言ってました!!」
「ちょっとそれどう言うこと?」
ちえみの問いに対して、真央《まお》は怒った声で言うた。
「信孝《のぶたか》さんは、信包《のぶかね》さんと里英《りえ》さんが仲良くしているのが気に入らないのですよ!!」
「ちょっと兄さん!!」
「なんだよ~」
「信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》は、お嫁さんはいないの!?」
「いないよ~」
「どうしていないのよ!?」
「今は身の丈に合った相手《おあいて》がいないだけだよ…熱田(神宮)の神さまが選んでくれるから…それまで待てと…」
「兄さん!!」
「なんだよ~」
「兄さんと義姉《ねえ》さんは、信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》の結婚問題に向き合わずになにしていたのよ!?」
「向き合っていたよ…だけど、信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》が向こうとしなかったのだよ…」
「人のせいにしないでよ!!」
(ガーン!!)
思い切りブチ切れたちえみは、近くにあった小皿を半兵衛《はんべえ》に投げつけたあと怒った声で半兵衛《はんべえ》を攻撃した。
「兄さん!!」
「なんだよ~」
「信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》にお嫁さんが来なくなった原因を作ったのは全部にいさんにあるのよ!!いつだったかおぼえてないけど、信包《のぶかね》と里英《りえ》ちゃんが仲良くしているところを見た時に、信包《のぶかね》に暴力をふるった!!」
「あれは男の子は男の子らしくしろと言うただけだ!!」
「やかましいポンコツ!!」
「やめてください!!」
「止めないで!!にいさんは悪いことをしたと思ってないのよ!!信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》にひどいことをしたのにひとこともわびないドサイテー兄よ!!」
「なんだと!!」
「うるさいわね!!」
「やめてください!!」
思い切りブチ切れたちえみは、半兵衛《はんべえ》に殴りかかった。
真央《まお》は、必死になって半兵衛《はんべえ》とちえみを止めたが大ゲンカがひどくなった。
この時であった。
(ドサッ!!)
イスから立ち上がった絹代《きぬよ》がとつぜん倒れたあと呼吸が止まった。
「ああ!!おばさま!!おばさま!!」
真央《まお》は、大急ぎで絹代《きぬよ》のもとに行った。
絹代《きぬよ》は、心臓発作を起こして倒れたあとそのまま亡くなった。
「絹代《きぬよ》!!絹代《きぬよ》!!」
半兵衛《はんべえ》は、泣き叫ぶ声で絹代《きぬよ》を呼んだ。
しかし、絹代《きぬよ》はめざめなかった。
半兵衛《はんべえ》は、より激しい声で泣き叫んだ。
またところ変わって、日進市浅田町にある一戸建ての家にて…
この日、信孝《のぶたか》はリースバック会社のお仕事をしていた。
家の周りに数人の鑑定士さんたちがいた。
信孝《のぶたか》は、お客様と一緒に査定の様子を見守っていた。
時は、正午過ぎであった。
(ウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウー…)
ところ変わって、信包《のぶかね》が勤務しているリサイクル工場にて…
構内にひるやすみを知らせるサイレンが鳴り響いた。
作業着姿の信包《のぶかね》が外へ出ようとした時であった。
大きなバスケットを持っている里英《りえ》がまた信包《のぶかね》のもとにやって来た。
「信包《のぶかね》〜♪」
「なんだよ!!」
「一緒にごはんを食べよ♪」
「オレはひとりで食べたいのだよ〜」
「よくないわよ…午後からお仕事がたくさんあるのでしょ…一緒にごはんを食べよ♪」
「おい!!」
里英《りえ》は、信包《のぶかね》の右手をゴーインにひっぱりながら中へ入った。
この時であった。
お仕事を終えた信孝《のぶたか》が工場の付近を通りかかった。
里英《りえ》が信包《のぶかね》をゴーインにひっぱって行く様子を見た信孝《のぶたか》は、思い切りブチ切れた。
またところ変わって、工場の構内にある藤だなにて…
里英《りえ》は、テーブルの上にお弁当をならべたあとうれしい声で言うた。
「信包《のぶかね》〜」
「なんだよ!!」
「今度の日曜日は、予定をあけてね♪」
「なんで予定をあけるのだよ〜」
「その日は、ワシントンホテルへ行くのよ♪」
「ワシントンホテルへなにしに行くのだよ!!」
「ブライダルフェアへ行くのよ♪」
「ブライダルフェアだと!!」
「そうよ♪」
「なんでブライダルフェアへ行くのだよ!?」
「なんでって、信包《のぶかね》とアタシはサイコンするのよ♪」
「聞いてねえよ!!」
「もう決まったのよ♪」
「里英《りえ》!!」
「アタシはダンナが大キライだからリコンしたのよ♪」
「それじゃあ、お前はオレが好きだからサイコンするのか!?」
「そうよ…好きとケッコンは一緒よ♪」
「里英《りえ》!!」
里英《りえ》は、信包《のぶかね》に対して指切りげんまんを求めた。
「信包《のぶかね》〜…はい、指切りげんまん♪」
里英《りえ》は、信包《のぶかね》に対してゴーインに指切りげんまんをしたあと『ごはんを食べよ…』と言うた。
その後、ふたりはお弁当を食べ始めた。
またところ変わって、有松のイオンタウン内にある大垣共立銀行の支店にて…
支店のオフィスに里英《りえ》の夫・清《きよし》がいた。
清《きよし》のデスクの上に書類が大量に積まれていた。
清《きよし》は、ひどくいらついた表情で仕事をしていた。
そこへ、ランチ休みをしていた女性従業員さんがオフィスに戻って来た。
女性従業員さんは、困った声で清《きよし》に言うた。
「今江さん。」
「なんやねん〜」
「セールスマン風の男の人がものすごく怒った表情で今江さんに会いに来たようです。」
「今仕事中や〜」
「今江さん!!」
「分かったよ〜」
清《きよし》は、ものすごく困った声で言うたあと応接間へ行った。
それから数秒後に新《あらた》がオフィスに戻って来た。
新《あらた》は、困った声で言うた。
「ただいま。」
「おかえりなさい〜」
「だれが来ているの?」
「ええ、立浪《たつなみ》さまと言うてましたが…」
「立浪課長のご子息が来てるって?」
「せや…今江さんは、なんぞ悪いことしたの?」
「さあ…」
めんどくさい表情を浮かべている新《あらた》は、デスクに戻ったあとデスクワークを再開した。
ところ変わって、応接間にて…
応接間に信孝《のぶたか》と清《きよし》がいた。
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、よりしれつな怒りをこめながら清《きよし》を攻撃した。
「おいコラ!!」
「なんですか急に〜」
「オドレは今江里英《いまえりえ》のダンナだろ!!」
「そうですけど…」
「おい!!オドレの嫁がうちのきょうだいに色目を使ったようだな!!どうするつもりだ!!」
「すみません…妻は…私がキライだから…」
「嫁はオドレが大キライだからリコンしたのか!?」
「はい…」
「離婚届《ショメン》は出したのか!?」
「まだです〜」
「ほんなら出せ!!」
「出します…」
清《きよし》は、信孝《のぶたか》の怒りをしずめるために離婚届《ショメン》を出した。
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、離婚届《ショメン》を受け取ったあと清《きよし》に言うた。
「まだ大丈夫か!?」
「はい…」
「リコンを突きつけられたあとショメイナツインした…オドレはどうなんだ!?」
「はい?」
「嫁とリコンする気はあるのか!?」
「ありません〜」
「よし分かった!!」
このあと、信孝《のぶたか》は離婚届《ショメン》をズタズタに破った。
その後、怒った声で清《きよし》に言うた。
「これで解決した…今度、うちのきょうだいに色目を使ったら考えがあるから覚悟しておけ!!」
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、清《きよし》に対してボロクソに言うたあと応接間から出て行った。
信孝《のぶたか》に凄まれた清《きよし》は、ビービービービーと泣いた。
そこへ、女性従業員さんがやって来た。
「ちょっと今江さん!!きょう中に片付けなきゃいけないアンケンがたくさんあるのよ!!はよ戻ってや!!」
(バーン!!)
思い切りブチ切れた女性従業員さんは、応接間のドアをバーンとしめたあとデスクに戻った。
信孝《のぶたか》からズタズタに言われた清《きよし》は、ビービー泣きながら『チクショー!!』と叫び声をあげた。
時は、夜7時40分頃であった。
ところ変わって、半兵衛《はんべえ》の家族たちが暮らしている家の食卓にて…
食卓のテーブルに、信孝《のぶたか》と真央《まお》のふたりがいた。
テーブルの上に、真央《まお》が作った料理がならんでいた。
居間のテレビの画面に中京テレビが映っていた。
この時間は『突撃ファイル…』が放送されていた。
信孝《のぶたか》は、ものすごくいらついた表情を浮かべていた。
遅い…
信包《のぶかね》はなにをしているのだ…
この時であった。
信包《のぶかね》がつかれた表情で帰宅した。
信孝《のぶたか》は、ものすごく怒った声で言うた。
「信包《のぶかね》!!」
「なんだよにいさん〜」
「こんな遅い時間までどこにいた!?」
「オレは今、帰って来たところだよ〜」
「その時間まで今江の嫁のところにいたのか!?」
「信孝《のぶたか》さん!!やめてください!!」
「だまれ!!」
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、のみかけのサントリータコハイプレーンサワーの500ミリリットル缶を手にしたあと、一気にごくごくとのみほした。
その後、怒った表情で真央《まお》に言うた。
「おい…(テレビを)消せ!!」
「信孝《のぶたか》さん…」
「(テレビを)消せ!!」
「アタシは、『突撃ファイル…』をみてるのよ!!」
「やかましい!!」
(ガシャーン!!)
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、ニポポ人形を手にしたあとキッチンにあるガラスだなへ投げつけた。
ガラスにニポポ人形がぶつかったはずみでガラスがこなごなに割れた。
こわい…
おびえた表情を浮かべている真央《まお》は、大急ぎでテレビの電源を切った。
それから20秒後であった。
信孝《のぶたか》は、怒った声で信包《のぶかね》に言うた。
「すわれ!!」
「なんだよ~」
「すわれと言うたらすわれ!!」
「やめてください!!」
「なんやオドレ!!」
「おだやかに話し合いをしてください!!…ギャー!!」
(ガシャーン!!ガシャーン!!)
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、近くにあったかたいもの2個をキッチンのガラス戸に投げつけた。
ガラス戸の中に入っていたガラス食器がこなごなに壊れた。
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、信包《のぶかね》に対して『すわれ!!』と怒鳴りつけた。
信包《のぶかね》は、怒った声で『すわりゃいいのだろ!!』と言うたあとイスに座った。
信孝《のぶたか》は、ものすごく怒った声で信包《のぶかね》に言うた。
「オラ!!」
「なんだよにいさん!!」
「オドレはふざけているのか!?」
「なに怒ってるのだよ!?」
「オドレはいつ頃から今江の人妻《よめ》と合うようになった!?」
「里英《りえ》が勝手に来ただけだ!!」
「ウソつくな!!」
「やめてください!!」
真央《まお》は、信孝《のぶたか》に対して『やめて!!』と言うて止めた。
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、近くにあったパターを近くに置かれていたかびんに投げつけた。
(ガチャーン!!)
パターがかびんに直撃したので、かびんがこなごなに壊れた。
信孝《のぶたか》は、よりしれつな怒りをこめながら言うた。
「オレは気に入らない…オレは気に入らないのだよ!!」
「だからなにが気に入らないのですか!?」
「今江里英《あのボロおんな》が気に入らないのだよ!!今江里英《あのボロおんな》は信包《のぶかね》とどう言うカンケーがあるのだ!?」
「里英さんと信包《のぶかね》さんは、幼稚園のときからの幼なじみです!!」
「幼なじみだからなんだと言うのだ!!」
(ドスーン!!)
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、よりしれつな怒りをこめながら言うた。
「幼なじみ同士だからなんだと言うのだ!?…幼なじみ同士だから好きだと言いたいのか!?」
「ちがいますよ!!」
「それじゃあ、なんなのだ!?」
「信包《のぶかね》さんと里英さんはお友だちの関係ですよ!!」
「ふざけるな!!オレは気に入らない!!…不公平だ!!…不公平だ!!…信包《のぶかね》は女の子と一緒にお弁当を食べてもいいがオレはだめだと言うのか!?」
「そんなことは言うてません!!」
「ふざけるな!!」
(ドスーン!!ドスーン!!ドスーン!!)
思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、右手に作ったこぶしでテーブルを激しく殴りつけたあとこう言うた。
「オレは小さい時から友人がいなかった!!…オレは勉強だけしていた…大学に行っても勉強一本だけに集中したから…サークル活動もゴーコンも…しなかった…サークル活動やゴーコンなんか大キライだからしなかった…楽しいことを全部ガマンしたオレの気持ちをふみにじったから許さない!!」
「にいさん!!あんまりだよ!!」
「ふざけるな!!」
「オレと里英《りえ》が仲良くしているのが気に入らないのかよ!!」
「ああ!!気に入らない!!オレに花嫁さんが来ない原因を作ったのはオドレだ!!」
「言いがかりをつけるのかよ!!」
「言いがかりをつけたのはオドレだ!!」
「やめてください!!」
「止めるな!!」
「おだやかに話し合いをしてください!!」
「だまれ!!」
「なんだよにいさん!!」
「なんやオドレ!!やっつけてやる!!」
「にいさんなんかうざいのだよ!!」
「やめて!!」
このあと、信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》がドカバキの大ゲンカをくり広げた。
「オドレばかり不公平だ!!」
「うざいのだよあんたは!!」
ドカバキの大ゲンカは、約4〜5時間に渡ってつづいた。
(ブロロロロロロロロ…)
次の日の朝10時過ぎであった。
家の前にジャンボタクシーが停まった。
ジャンボタクシーの中から半兵衛《はんべえ》と真央《まお》と絹代《きぬよ》と半兵衛《はんべえ》の妹・前田ちえみが降りた。
真央《まお》とちえみは、絹代《きぬよ》のカイジョをしながら玄関に向かった。
この日、絹代《きぬよ》が入院先の病院を退院した。
絹代《きぬよ》の身体は、まだ回復していなかった。
前の日に絹代《きぬよ》が使っていた病室が急を要する患者さんが使うことになったので、複数人の患者さんがいる病室に移された。
絹代《きぬよ》は、それが気に入らないので退院を申し出た。
そしてこの日、絹代《きぬよ》は退院した。
退院した絹代《きぬよ》は、治療をダンネンすることを決めた。
ところ変わって、広間にて…
広間のテーブルにあるイスに半兵衛《はんべえ》と絹代《きぬよ》とちえみが座った。
真央《まお》は、お茶をいれる準備に入った。
これはどう言うことだ…
半兵衛《はんべえ》は、荒れた状態になった部屋をながめながらつぶやいた。
ちえみは、ものすごく困った声で言うた。
「兄さん。」
「なんだよ~」
「ゆうべ、なにがあったの?」
お茶をいれる準備をしている真央《まお》は、つらい声で言うた。
「信孝《のぶたか》さんと信包《のぶかね》さんが大ゲンカを起こしました…原因は、信包《のぶかね》さんが今江《よそ》の人妻さんとミッカイしていたことが原因です。」
絹代《きぬよ》は、おどろいた声で言うた。
「今江《よそ》の人妻って…」
「信包《のぶかね》さんの幼なじみですよ!!」
「真央《まお》さん…」
「信孝《のぶたか》さんは、信包《のぶかね》さんばかり不公平だと言ってました!!」
「ちょっとそれどう言うこと?」
ちえみの問いに対して、真央《まお》は怒った声で言うた。
「信孝《のぶたか》さんは、信包《のぶかね》さんと里英《りえ》さんが仲良くしているのが気に入らないのですよ!!」
「ちょっと兄さん!!」
「なんだよ~」
「信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》は、お嫁さんはいないの!?」
「いないよ~」
「どうしていないのよ!?」
「今は身の丈に合った相手《おあいて》がいないだけだよ…熱田(神宮)の神さまが選んでくれるから…それまで待てと…」
「兄さん!!」
「なんだよ~」
「兄さんと義姉《ねえ》さんは、信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》の結婚問題に向き合わずになにしていたのよ!?」
「向き合っていたよ…だけど、信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》が向こうとしなかったのだよ…」
「人のせいにしないでよ!!」
(ガーン!!)
思い切りブチ切れたちえみは、近くにあった小皿を半兵衛《はんべえ》に投げつけたあと怒った声で半兵衛《はんべえ》を攻撃した。
「兄さん!!」
「なんだよ~」
「信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》にお嫁さんが来なくなった原因を作ったのは全部にいさんにあるのよ!!いつだったかおぼえてないけど、信包《のぶかね》と里英《りえ》ちゃんが仲良くしているところを見た時に、信包《のぶかね》に暴力をふるった!!」
「あれは男の子は男の子らしくしろと言うただけだ!!」
「やかましいポンコツ!!」
「やめてください!!」
「止めないで!!にいさんは悪いことをしたと思ってないのよ!!信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》にひどいことをしたのにひとこともわびないドサイテー兄よ!!」
「なんだと!!」
「うるさいわね!!」
「やめてください!!」
思い切りブチ切れたちえみは、半兵衛《はんべえ》に殴りかかった。
真央《まお》は、必死になって半兵衛《はんべえ》とちえみを止めたが大ゲンカがひどくなった。
この時であった。
(ドサッ!!)
イスから立ち上がった絹代《きぬよ》がとつぜん倒れたあと呼吸が止まった。
「ああ!!おばさま!!おばさま!!」
真央《まお》は、大急ぎで絹代《きぬよ》のもとに行った。
絹代《きぬよ》は、心臓発作を起こして倒れたあとそのまま亡くなった。
「絹代《きぬよ》!!絹代《きぬよ》!!」
半兵衛《はんべえ》は、泣き叫ぶ声で絹代《きぬよ》を呼んだ。
しかし、絹代《きぬよ》はめざめなかった。
半兵衛《はんべえ》は、より激しい声で泣き叫んだ。