【辛口ヒューマンドラマ】私のしあわせな結婚−32
第2話
時は、夜9時半頃であった。

またところ変わって、名古屋市南区松城町にある大型和風建築の家にて…

家は、半兵衛《はんべえ》の家族4人が暮らしている家である。

半兵衛《はんべえ》の家族は、長男・信孝《のぶたか》(45歳)と次男・信包《のぶかね》(39歳)と半兵衛《はんべえ》の妻・絹代《きぬよ》(70代)の4人である。

絹代《きぬよ》は、6ヶ月前に脳こうそくをハッショウしたことが原因で長期入院中であった。

真央《まお》は、絹代《きぬよ》に代わって家のことをするためにこの家に滞在していた…

…と言う家庭環境であった。

話は代わって…

家の居間に真央《まお》と半兵衛《はんべえ》と昌信《まさのぶ》みきこ夫婦と元春《もとはる》と隆景《たかかげ》の6人にくわえてもうひとり22歳の大学生の男の子がいた。

この時、信孝《のぶたか》と信包《のぶかね》はまだ帰宅していなかった。

大学生の男の子は、昌信《まさのぶ》のオイゴの鹿之助《しかのすけ》だった。

鹿之助《しかのすけ》は、この日の昼前に東海道本線《とうかいどうせん》の踏み切りで車をエンコさせたあと自殺未遂さわぎを起こして列車の運行をボーガイした張本人であった。

鹿之助《しかのすけ》はシューカツでオワハラの被害を受けたと言うたが、実際に被害を受けたのは別の学生さんだった…

鹿之助《しかのすけ》は、シューカツの他にも深刻な悩み事を複数かかえていた。

鹿之助《しかのすけ》は、半兵衛《はんべえ》と真央《まお》に対して『人生を全部リセットするために踏み切りで事件を起した…』と言うた。

大学が楽しくない…

シューカツをしたけど、やみくもに動いたから大失敗した…

大学へ行く意味がなくなった…

…と言うた。

真央《まお》と半兵衛《はんべえ》は、困った声で鹿之助《しかのすけ》に言うた。

「どうして全てをリセットするのよ!?せっかく入れた大学をやめるなんてもったいないわよ〜」
「そうだよ…4回生をがんばったら晴れて卒業できるのだよ!!」

鹿之助《しかのすけ》は、怒った声で言うた。

「せっかく入れた大学だから…と言う言葉がいらつくのだよ!!」

真央《まお》は、泣きそうな声で言うた。

「どうしてそんなに怒るのよ…」
「怒りたくもなるよ!!」

半兵衛《はんべえ》は、困った声で言うた。

「なにがいかんと言うのだよ…シューカツがつらいのであれば、勉学に集中する方に替えたらどうかな~」

真央《まお》は、やさしい声で鹿之助《しかのすけ》に言うた。

「その方がいいわよ…シューカツは卒業式の翌日以降でもできるのよ~」
「卒業式の次の日にしろだと!?」
「だから、鹿之助《しかのすけ》さんが気持ちよく働くことができる会社はまだいくらでもあるわよ〜」
「軽々しくものを言うな!!」

思い切りブチ切れた鹿之助《しかのすけ》は、ものすごく怒った声で言うた。

「オレ…大月の実家の家族たちにもうしわけないことをしたと思っているよ…もうすぐ、ぶどうのシュウカクの時期が来るのだよ…実家のまわりがあわただしくなるのに…オレが華のキャンパスライフをマンキツしている…それが許せないのだよ!!」

鹿之助《しかのすけ》が言うた言葉に対して、半兵衛《はんべえ》と真央《まお》は『もうしわけないと思うのであれば大学へ通えばいいだけじゃないか。』と言うた。

「実家のおとーさんとおかーさんにもうしわけないと思うのであれば、大学へ通ったらどうかな~」
「そうよ…実家のおとーさんとおかーさんは、あなたががんばって大学に通っている姿を遠くから見守っているのよ。」
「だから、それが許せないと言うてるのだよ!!…上のアニキたち3人は大学に行くことをあきらめてぶどう農家を手伝っているのだよ!!」

真央《まお》は、つらそうな声で言うた。

「それなら、3人のおにいさまの分までキャンパスライフを楽しめばいいじゃない!!」

半兵衛《はんべえ》もつらそうな声で言うた。

「そうだよ…3人のおにいさまたちは鹿之助《しかのすけ》くんが元気な顔で大学に通っている姿をはげみにがんばっているのだよ…」
「ふざけるな!!アニキたち3人は受験勉強をせずにだらけていたから大学に行けなかったのだよ…3人のアニキは…ナマケモノだ!!…もういい!!ワーワーワーワーワーワーワーワーワーワー!!」

鹿之助《しかのすけ》は、キセイをあげながら家から出た。

半兵衛《はんべえ》たちは、ラクタンした表情を浮かべながら下にうつむいた。

(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

時は、深夜11時55分頃であった。

またところ変わって、めいてつ本笠寺駅の付近にある高架下の通りにて…

高架橋の上を通っている線路にめいてつ本線の電車が走行していた。

思い切りブチ切れた鹿之助《しかのすけ》は、ふらついた足取りで歩いていた。

この時、カレはメイテイ状態におちいった。

その中で事件が発生した。

(ドカッ…)

メイテイ状態におちいった鹿之助《しかのすけ》が通りかかった派手なシャツを着た男とぶつかった。

「テメエ!!オレに喧嘩《ゴロ》を売る気か!?」
「ふざけるなクソガキ!!ぶっ殺してやる!!」
「やるんかワレ!!」
「ワーワーワーワー!!」

(ドカッ!!ドカッ!!ドカッ!!)

思い切りブチ切れた鹿之助《しかのすけ》は、やくざの男とらんとうを繰り広げた。

それから数分後であった。

「アニキ…アニキ助けてくれぇ〜」

チンピラの男が女々しい声で助けを求めた。

鹿之助《しかのすけ》は、近くにあった大きな石でチンピラの頭をはげしく殴りつけて殺した。

この時であった。

ヤキソバヘアで黒のサングラスをかけていてももけた(ボロくなった)ハラマキ姿で地下足袋をはいている男が鹿之助《しかのすけ》のもとにやって来た。

ヤキソバヘアで黒のサングラスをかけた男は、四国にある薬問屋の番頭《ばんと》はんの竹宮豊国《たけみやとよくに》であった。

竹宮《たけみや》は、ものすごく怒った声で鹿之助《しかのすけ》に言うた。

「コラ待てクソガキ!!逃げる気か!?」
「なんだこのやろう!!」
「よくもワテのかわいい舎弟《おとうと》を殺したな!!オトシマエつけてもらうぞ!!」
「なんやコラ!!死ねや!!」

(ドカッ!!)

思い切りブチ切れた鹿之助《しかのすけ》は、竹宮《たけみや》に体当たりをした。

鹿之助《しかのすけ》に体当たりされた竹宮《たけみや》は、その場に倒れた。

「ふざけるな!!」

思い切りブチ切れた鹿之助《しかのすけ》は、右足で竹宮《たけみや》をけとばした。

その後、鹿之助《しかのすけ》は走って逃げようとした。

この時、近くにいたやくざの男たち30人が鹿之助《しかのすけ》のもとにやって来た。

「待てコラ!!」
「よくもアニキをボコボコにどついたな!!」
「ふざけるな!!ぶっ殺してやる!!ワーワーワーワーワーワーワーワー!!」

このあと、鹿之助《しかのすけ》はやくざの男たち30人とらんとうをくり広げた。

しかし、途中で鹿之助《しかのすけ》が転倒した。

「なんだこいつは!!」
「まあええわ!!やっちまえ!!」

思い切りブチ切れたやくざの男たちは、転倒した鹿之助《しかのすけ》をボコボコに殴りつけた。

この時、竹宮が起き上がった。

「アニキ、でぇじょーぶですか?」
「ああ…オレにたきつけたあのクソガキをコンクリ詰めにしろ!!」
「へえ。」

30人のやくざの男たちからボコボコに殴られた鹿之助《しかのすけ》は、このあとコンクリ詰めにされて三河湾《うちうみ》に面した岸壁《かいがん》におちて沈んだ。

日付が変わって、7月2日の深夜1時半頃であった。

またところ変わって、松城町の家の食卓にて…

食卓のイスに真央《まお》がひとりで座っていた。

この時であった。

ゴルフウェア姿でブリヂストンのツアーステージのロゴ入りのゴルフバッグとボストンバッグを持っている信孝《のぶたか》が帰宅した。

信孝《のぶたか》は、上司のお供で伊良湖岬《いらご》にあるゴルフ場に行ってた。

信孝《のぶたか》は、ものすごく怒った表情で居間に入った。

真央《まお》は、怒った声で信孝《のぶたか》に言うた。

「信孝《のぶたか》さん!!」
「なんだ!!」
「こんなおそい時間までなにしていたのよ!!」
「オレはヨアソビしていたのじゃない!!部長のお供で伊良湖岬《いらご》へ行ったのだよ!!」
「ウソばかり言わないでよ!!」
「なんだこのやろう!!言いがかりをつけるのか!?」

思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、ゴルフバッグと純正のボストンバッグを置いたあとドカドカと足音を立てながらキッチンへ向かった。

その後、冷蔵庫に入っていたアサヒカクテルパートナーのスクリュードライバーの500ミリリットル缶2本を取り出したあと冷蔵庫の戸をバーンとしめた。

信孝《のぶたか》は、アサヒカクテルパートナーの缶ふたつをテーブルの上に置いたあとイスに座った。

信孝《のぶたか》は、怒った声で真央《まお》に言うた。

「ふざけるなよコラ!!」
「なにを怒っているのよ!?」
「(イトコ)がオレよりも先に結婚したことを怒っているのだよ!!」
「なんでダンナとアタシが結婚したことを怒っているのよ!?」
「やかましいドロボー!!オレと信包《のぶかね》の学資保険《ほけん》をドロボーしておいてひとこともわびないのか!?」
「悪かったと思っているわよ!!」
「ふざけるな!!」

(バーン!!)

思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、テーブルを平手打ちで思い切りたたいたあとよりしれつな怒りをこめながら真央《まお》に言うた。

「ふざけるなクソガキ!!なにが『じっと動かずに待っていれば素敵な花嫁さんに出会うことができる…』だ…あんたのクソオヤジがそのように言うたからオレは婚期を逃した!!」
「信孝《のぶたか》さん!!」
「あんたのクソオヤジがじっと待てと言うたからその通りにしたけど、素敵な花嫁さんは来なかった!!」
「おとーさんは、待っているあいだにできることはあるよと言うたのよ!!」
「だまれ!!」

(ガチャーン!!)

思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、近くにあったかたいものを花瓶にむけて投げつけた。

かたいものが花瓶を直撃した。

花瓶は、粉々に割れた。

「オレはあんたが毎月1万円ずつチョキンしたらどうかと言うたからその通りにチョキンした!!…コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ…コツコツコツコツと毎月1万円ずつチョキンした!!…それなのに花嫁さんは来なかった!!…あんたが『上の人の言うことを聞いていたら大丈夫よ』と言うたからその通りにしたけど、それでもだめだった!!」
「まだ信孝《のぶたか》さんの身丈に合う相手《おあいて》がいないだけと言うているのよ!!」
「オドレぶっ殺してやる!!ぶっ殺してやる!!」

思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、キッチンにあったチタン包丁を手に取った。

その後、信孝《のぶたか》は包丁をふりまわしながら暴れまわった。

「ワーワーワーワーワーワーワーワー!!」
「やめてー!!やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてー!!」

それから数分後であった。

思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、真央《まお》を床に倒したあと白のスカートをゴーインに脱がした。

「やめて!!イヤ!!」

思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、下に着けていた黒のストッキングと白のショーツを無理やり脱がした。

「イヤ!!イヤ!!」
「ふざけるな!!テメエばかりがしあわせになりやがって!!オレに花嫁さんが来ない原因を作ったからやっつけてやる!!ワーワー!!」
「いたいいたいいたいいたいいたい!!」

思い切りブチ切れた信孝《のぶたか》は、真央《まお》の両脚《あし》を無理やり開かすなどの暴力をふるった。

泣き叫んでいる真央《まお》は『信孝《のぶたか》さんごめんなさい!!』と言うより他はなかった。

真央《まお》は、信孝《のぶたか》に身体がボロボロに傷つくまで犯された。

ごめんなさい…

信孝《のぶたか》さんごめんなさい…

アタシ…

どうしたらいいのよ…

あなた…

助けて…

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