【辛口ヒューマンドラマ】私のしあわせな結婚−32
第24話
(ゴーッ…)

時は、6月27日の朝6時過ぎであった。

イワマツグループのA班のメンバーたちが乗っている専用機が松山空港に到着した。

なおみは、イワマツグループのA班のメンバーたちと一緒に専用機から降りたあとタラップを通って下に停まっている特大バスへ向かった。

下に停まっているオレンジ色のいよてつバスのロゴ入りの特大バスイワマツグループの全メンバーたちが乗り込んだ。

特大バスの中にて…

バスに設置されているテレビの画面にNHK総合テレビが映っていた。

この時間は『NHKニュースおはよう日本』が放送されていた。

イワマツグループのA班のメンバーたちは、座席に座ったあと子守女《こもりめ》さんたちから受け取ったサンドイッチと紙パックのらくれん牛乳で朝食を摂った。

イワマツグループのA班のメンバーたちは、朝食を摂ったあと、子守女《こもりめ》さんたちから受け取った日本経済新聞を読んだりテレビのニュースをみたり…で過ごしていた。

朝6時30分頃であった。

(ブロロロロロロロロロロロロロ…)

テレビの画面が消えたと同時にバスが出発した。

バスは、県道松山空港線のバイパス〜松山北環状線〜国道196号線を通って目的地へ向かった。

朝7時半頃に、特大バスが松山市堀江町にある三浦工業《みうら》の本社に到着した。

到着したあと30分の間は、車内で過ごした。

朝8時頃であった。

イワマツグループのA班のメンバーたちは、特大バスから降りたあと社屋に入った。

この日は、イワマツグループのオフィスビルと工場と店舗とリゾート施設と住まいと船舶に設置されているボイラー機器の全機種を新機種に変更する工事の打ち合わせを行う予定である。

ことはとなおみは、イワマツグループのA班のメンバーたちと一緒にお仕事に取り組んだ。

さて、その頃であった。

またところ変わって、大阪市内にある新《あらた》の職場のオフィスにて…

新《あらた》は、朝8時32分にタイムカードを押したあと自分のデスクに座ろうとした。

この時、上司の男性がものすごく言いにくい表情で新《あらた》のもとにやって来た。

上司の男性は、かわいい柄の小さいポーチを持っていた。

「京田くん…すまんけどわしの頼みを聞いてくれるかな?」
「なんでしょうか!?」
「すまんけど、四国まで行ってくれるかな?」
「今からですか!?」
「急なたのみを入れたことについてはあやまるよ…わしはものすごく困っているのだよ…」
「課長!!」
「今から乗り物の予約を入れるから…京田くんは、これを届けるだけでいいのだよ〜」

新《あらた》は、あきれた声で言うた。

「これはなんでしょうか!?」
「だから、小さなポーチだよ〜」
「見れば分かりますよ!!このポーチはどなたの物ですか!?」
「このポーチは、根尾興産《ねおこうさん》の社長さんの孫ちゃん(4歳女の子)が忘れて行ったのだよ~…」
「根尾興産《ねおこうさん》の社長と課長はどんな関係があるのですか!?」
「根尾の社長は、ムコに行ったワシのおにいなんだよ…きのう、おにいの家族たちがうちに遊びに来たのだよ…」
「だから、私に孫ちゃんの忘れ物を届けてくれと言うことですね!!」
「すまんことしたと思ってるよ…(女の子の孫)ちゃんは今ごろ『エーンエーン…』と泣いているのだよ…大急ぎで届けてくれ〜」
「分かりました…行きますからおちついてください!!」
「おおきに…今から乗り物の予約を取るから…待っててね。」

上司の男性は、乗り物の予約の電話をかけた。

新《あらた》は、めんどくさい表情でつぶやいた。

なんで課長の親類のガキの忘れ物を届けに行くのだ…

かんべんしてくれよ…

時は、午前10時50分頃であった。

新《あらた》は、JR新大阪駅から新幹線下りののぞみ号に乗って福山駅まで行った。

JR福山駅から今治桟橋行きの高速バスに乗って今治駅に向かった。

新《あらた》は、JR今治駅のバス乗り場でバスから降りたあとイオンモール今治新都市行きのせとうちバスに乗り換えた。

午後1時35分頃であった。

新《あらた》が乗っているバスがイオンモール今治新都市のバス停に到着した。

新《あらた》は、バスから降りたあと上司の男性が指定した店へ向かった。

ところ変わって、イオンモールの館内にあるスタバにて…

ここで新《あらた》は、ランチを摂っていた。

テーブルの上には、グランテドリップコーヒーとイングリッシュマフィン2個が並んでいた。

イングリッシュマフィンを食べている新《あらた》は、右腕につけているカシオのウェブセプター(ソーラー電波時計)をちらちらと見ていた。

時は、午後3時頃であった。

新《あらた》のもとに根尾興産《ねおこうさん》の社長さんと息子夫婦の家族たち3人が到着した。

社長さんは、やさしい声で新《あらた》に言うた。

「えーと、京田新《きょうだあらた》さまでございますね。」
「京田はわたくしでございます。」
「ああ、(女の子の孫ちゃん)のポーチを届けてくれたのだね。」

息子夫婦と一緒にいた4歳の女の子の孫は『エーンエーン…』と泣いていた。

新《あらた》は、社長さんにポーチを差し出しながら言うた。

「こちらでございますか?」

社長さんは、やさしい声で『これだよ…ありがとう。』と言うた。

社長さんは、4歳の女の子の孫ちゃんにポーチを手渡した。

4歳の女の子の孫ちゃんは『ありがとう。』と新《あらた》にお礼を言うた。

新《あらた》は、社長さんに『わたくしはこれで失礼します。』とあいさつをしたあと店から出ようとした。

社長さんの息子さんのお嫁さんが『待ってください~』と言うて新《あらた》を止めた。

新《あらた》は、困った声で言うた。

「すみません…わたくしはこのあと3時20分の(直行)バスに乗らないといかんのです。」
「もう帰られるのですか?」
「あの…私はきょう中に大阪へ帰るのですよ。」
「それじゃあ困るわよ〜」
「わたくしは急いでるのです!!」
「私たちは、京田さんにきちんとしたお礼がしたいのです。」
「お礼は後日でもかまいません…」
「それではよくありません…」
「わたくしは、娘さんの忘れ物を届けただけですよ。」
「私たちは、京田さんにゴソクロウをかけたのできちんとしたお礼をしなければならないのです。」
「ですから、お礼は後日でもいいですよ…と言うているのですよ。」
「京田さんのお気持ちはよくわかります…私たち家族は、京田さんにきちんとしたお礼がしたいのです。」

だから、あんたらはオレにどうしたいと言うのだよ…

新《あらた》は、ものすごくいらついた表情でつぶやいた。

息子さんは、困った声で新《あらた》に言うた。

「京田さん。」
「なんでしょうか?」
「私たち家族は、京田さんにきちんとしたお礼がしたいと言うてるのです。」
「ですから、きちんとしたお礼とはなんでしょうか?」
「ですから、あのその…せめて、晩ごはんだけでもいただいたらどうでしょうか…あの…その…ラーメン一杯だけでも食べて行かれたらどうですか?」

ラーメン一杯だけでも食うて帰れだと…

あんたらは、ふざけているのか!?

新《あらた》は、いらついた表情でつぶやいた。

社長さんは、つらそうな表情で新《あらた》に言うた。

「京田さん、息子夫婦たちはきちんとしたお礼がしたいと言うてるのだよ…せめてラーメン一杯だけでもいいからごはんを食べて行くことはできないのかな…」

新《あらた》は、めんどくさい表情で『わかりました…ラーメン一杯食べたら帰ります。』と言うた。

このあと、新《あらた》は社長さんの息子さんが運転するトヨタラウムに乗ってドライブに出た。

車は、イオンモール今治新都市から出発したあと国道317号線を通って松山方面へ向かった。

新《あらた》は国道沿いに有るラーメン屋さんで止めてくださいと頼んだ。

社長さんは『松山市内《しない》で一番おいしいラーメン屋さんを知っているからそこへ行こうか。』

車は、そのまま松山市内へ向けて走行した。

時は、夕方5時15分頃であった。

ところ変わって、大街道交差点のすぐ近くにあるいよてつ会館のスタバにて…

新《あらた》は、社長さんの家族たち4人と一緒に店に入ろうとしたが途中で足を止めたあとこう言うた。

「社長。」
「はい?」
「ラーメン屋さんへ行くのではなかったのですか?」
「ラーメン屋さんに行くけど…」
「なんでスタバに来たのでしょうか?」

息子さんは、困った声で新《あらた》に言うた。

「ウソをついてすみませんでした…妻がどうしても京田さんに妻のおともだちを紹介したいと言うたのです。」

息子さんの妻は、やさしい声で新《あらた》に言うた。

「京田さん…ウソをついてすみませんでした…京田さんにどうしても…アタシのおともだちを紹介したいのです…お願いします…」

息子さんの妻は、両手をあわせながら新《あらた》に頼み事をした。

新《あらた》は『分かりました。』と答えた。

その後、新《あらた》は社長さん夫婦4人と一緒に店に入った。

ところ変わって、店内にて…

店内の予約席にイワマツグループのA班のメンバーたちが座っていた。

イワマツグループのA班のメンバーたちは、グランテドリップコーヒーと新作のスイーツでティータイムを楽しんでいた。

イワマツグループのA班のメンバーたちは、夕方4時に1日の予定が終了した。

晩ごはんは、バスの車内で出された幕の内弁当で摂った。

新《あらた》と社長さんの家族たち4人は、イワマツグループのA班のメンバーたちがいる予約席に行った。

この時、なおみが声をかけた。

「(息子さんのお嫁さん)。」
「なおみさん。」
「ご家族でお越しになられたのね。」
「ええ。」
「新《あらた》さんもご一緒だったのね。」
「ええ…社長さんの孫ちゃんが忘れたポーチを届けにまいりました。」
「(社長さんの孫)ちゃんが忘れたポーチを届けてくださったのね。」
「はい。」
「それで、京田さんにきちんとしたお礼がしたいからここに来たのよ。」
「そうなのね。」

このあと、息子さんのお嫁さんは新《あらた》に息子さんのお嫁さんのおともだちを紹介した。

「京田さん…紹介します…アタシの…高校時代の…親友の…えーと…片岡ことはさんです。」

息子さんのお嫁さんに新《あらた》を紹介されたことはは、新《あらた》の前で深々とおじぎをした。

新《あらた》もおじぎをした。

新《あらた》は、なおみに声をかけた。

「なおみさん。」
「新《あらた》さん。」
「根尾のお嫁さんとことはさんは…」
「ああ、高校にいたときの親友よ。」
「そうでしたか…」
「なおみさんは、京田さんのことはご存知ですか?」
「夫の叔父《おじ》にあたる人です。」
「ダンナさんの叔父《おじ》さまだったのね。」
「はい。」
「何時頃までここに滞在するの?」
「えーと、6時半までよ。」
「6時半までね…少しの間でもいいから新《あらた》さんとことはさん…いいかな…」
「いいわよ…6時15分で終えてね。」
「わかったわ…京田さん、ことはさんとお話をしましょうか。」

このあと、新《あらた》とことはのふたりはお茶をのみながらお話をした。

時計のはりは、夕方5時40分になっていた。

その間に、ふたりはゆっくりとお話ができるだろうか?
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