君の見えない明日を、君の命に変えることができたなら。

give4.)

早く、早く会いたかった。

学校帰り行く防波堤のことしか考えれれなかった。



早く柊真に会いたい。



「あ、千和!今日はおんなじぐらいじゃない?昨日は遅くなっちゃったから」

「柊真」

今日も持って来ていたボストンバッグのチャックを開けようとしゃがんだ柊真の前に立った。

「…何?どうしたの?」

ずっとずっと会いたかった。

早く会って言いたかった。

「今すぐ寿命の交換をしたいの」

柊真の絵の完成はもう待てない。

「え…急じゃない?」

「急じゃないよ、だって最初はあの場ですぐって感じだったじゃん。でも日が落ちる瞬間じゃないとダメだからって出来なかっただけで、毎日日は落ちるんだし」

「でもまだ…オレ絵描けてない」

「それは寿命の交換してからでも描けるよ、その方が柊真もよくない?だって思う存分絵が描けるようになるんだよ」

早く死にたい。

柊真に断られたらこのまま海に飛び込もう、柊真には悪いけど私はもうここにいたくないんだ。

「ねぇ今日は何時まで大丈夫?早く交換したいの」

「……。」

もう待てない、本当はあの日ここから飛び込むつもりだったんだから。

「わかった」

チャックを開けるのをやめた柊真が立ち上がった。

「本当!?じゃあ今日っ」

「でも、今日は無理なんだ…ごめん!だから明日でもいい?」

「明日…」

「明日の夕暮れ!必ず行くから日が暮れる時間、あの神社で!」

明日か…あと1日、本当は今日がよかったけど1日なら。

「うん、いいよ」

「よかった、じゃあ明日ね!日が暮れる少し前に集合ね!」
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