君の見えない明日を、君の命に変えることができたなら。
いつもの防波堤からちょっと橋の方へ歩いて行くと屋根付きのベンチとテーブルがあった。
ここなら日陰だし、風が吹けば涼しいし、何より静かでのどかだった。基本人がいないからだよね、全然せこせこしてないの。
それだけは悪くないのに、ここも。
「じゃあこれ鉛筆!あ、名前ペンもあるけどノートに名前書く?一緒だしわからなくなるよね!」
「……うん」
わからなくなっても特に困らなくない?
どこに提出するわけでもないんだから…でも鉛筆と一緒に渡されちゃったから一応書いといた。
「じゃあ始めようか自由研究!」
毎日行くところもないし、家には居づらくてついここへ来てしまう。
ここに来たら柊真がいるから。
柊真がいたら、気を紛らわせる程度に話すことが出来るから。
「何の研究する?あさがお?」
「本当に自由研究じゃん、あさがおなんかないし」
「えーじゃあ何にしよう、波の研究ってのもありかもな!毎日激しかったりなだらかだったり日によって違うし!」
「柊真、海好きだよね」
ずっと変わらず、日々柊真とここにいる。
だけど、もう約束は終わったよね?
“友達になろう!それで友達になれたと思ったら寿命を交換しよう!”
約束が果たされた今、私たちはもう友達じゃないよね?
じゃあどうしてここにいるのかな、柊真は。
どうして私といるの?
「じゃあオレ、千和の観察するわ!」
「はぁ!?」
ちょっと私がノートを見つめてる間にもうタイトルとして柊真が書き始めてた。
ノートの表紙に大きな字で、しかも名前ペン油性なんだからもう書き直し出来ない!!
「私の観察って何するの!?何する気!?」
「ん、千和の日々の変化を」
「ないからそんなの!」
「でも今日は可愛い唇してるね」
「!」
ドキッてわかりやすく反応してしまった。
一瞬で顔が火照って、じわって汗が出そうになる。
「これは…っ、前の学校の友達にもらったの!」
気付かれると思わなくて、恥ずかしくなって手で口元を隠した。
学校じゃ使えないから終わった後ならいいかなって、それでちょっと、使わないのはもったいないしせっかくもらったんだし、えっと…
心の中で言い訳ばかり探してた。
柊真が何か言って来たわけでもないのになぜか必死に。
「友達日和のことよくわかってるね、似合ってるよ」
探してた言い訳は、頭の中から消えて行った。
それどころか全部空っぽになっちゃって柊真の言葉だけが残って。
「似合ってて、可愛い」
もう居座っちゃうんじゃないかって。
ずっと柊真の言葉が離れなくなる気がした。
「……ありがとう」
わざと前髪を治すフリをして手で顔を隠した。
か細い声で柊真に聞こえたかなって、前髪の隙間から覗いてみたら私の方を見て微笑んでた。
そしたらまたドキッて頬が熱くなった。
今年の夏はいつもより熱いのかな、まだ6月なのに暑くてしょうがない。
ここなら日陰だし、風が吹けば涼しいし、何より静かでのどかだった。基本人がいないからだよね、全然せこせこしてないの。
それだけは悪くないのに、ここも。
「じゃあこれ鉛筆!あ、名前ペンもあるけどノートに名前書く?一緒だしわからなくなるよね!」
「……うん」
わからなくなっても特に困らなくない?
どこに提出するわけでもないんだから…でも鉛筆と一緒に渡されちゃったから一応書いといた。
「じゃあ始めようか自由研究!」
毎日行くところもないし、家には居づらくてついここへ来てしまう。
ここに来たら柊真がいるから。
柊真がいたら、気を紛らわせる程度に話すことが出来るから。
「何の研究する?あさがお?」
「本当に自由研究じゃん、あさがおなんかないし」
「えーじゃあ何にしよう、波の研究ってのもありかもな!毎日激しかったりなだらかだったり日によって違うし!」
「柊真、海好きだよね」
ずっと変わらず、日々柊真とここにいる。
だけど、もう約束は終わったよね?
“友達になろう!それで友達になれたと思ったら寿命を交換しよう!”
約束が果たされた今、私たちはもう友達じゃないよね?
じゃあどうしてここにいるのかな、柊真は。
どうして私といるの?
「じゃあオレ、千和の観察するわ!」
「はぁ!?」
ちょっと私がノートを見つめてる間にもうタイトルとして柊真が書き始めてた。
ノートの表紙に大きな字で、しかも名前ペン油性なんだからもう書き直し出来ない!!
「私の観察って何するの!?何する気!?」
「ん、千和の日々の変化を」
「ないからそんなの!」
「でも今日は可愛い唇してるね」
「!」
ドキッてわかりやすく反応してしまった。
一瞬で顔が火照って、じわって汗が出そうになる。
「これは…っ、前の学校の友達にもらったの!」
気付かれると思わなくて、恥ずかしくなって手で口元を隠した。
学校じゃ使えないから終わった後ならいいかなって、それでちょっと、使わないのはもったいないしせっかくもらったんだし、えっと…
心の中で言い訳ばかり探してた。
柊真が何か言って来たわけでもないのになぜか必死に。
「友達日和のことよくわかってるね、似合ってるよ」
探してた言い訳は、頭の中から消えて行った。
それどころか全部空っぽになっちゃって柊真の言葉だけが残って。
「似合ってて、可愛い」
もう居座っちゃうんじゃないかって。
ずっと柊真の言葉が離れなくなる気がした。
「……ありがとう」
わざと前髪を治すフリをして手で顔を隠した。
か細い声で柊真に聞こえたかなって、前髪の隙間から覗いてみたら私の方を見て微笑んでた。
そしたらまたドキッて頬が熱くなった。
今年の夏はいつもより熱いのかな、まだ6月なのに暑くてしょうがない。