ハイドランジア
さっきから溢れ出して止まらないこの厄介な感情にむりやり蓋をする。
気づいたら、昨日より、今日の朝より、もっと好きになってしまっている気がして心臓がズンって重たくなった。
昨日徹夜で考えたセリフを頭の中で必死に繰り返す。
ふう、と呼吸をととのえて気持ちを伝えようと決意を固めたときだった。
「おまえさ、俺のこと怖くねーの?」
顔色ひとつ変わらない。
怖がられてることを受け入れているようなそんな聞き方。
朔くんは気づいてるんだ。周囲から怯えられてること。
だから私にそんなことを聞いてくるんだ。
怖くないってひとこと言えばよかったのに、それだけじゃ足りないような気がして言葉に詰まっていたら、
「……こえーのかよ」
優しさを含んだ笑う声。
「喋んないほーがいいよ俺と。おまえも変な目で見られる」
そんなことない。私は、私は……