ハイドランジア



「………持ってんだ、ほんとは」

「え?」




ためらいがちにぽつり落とされた言葉は、ちょっとだけ恥じらいも含んでる気がして。



そのまま肩からするりとおろされた スクバの中から
手を伸ばした朔くんが取りだしたもの。


それは、




「………ふふ、」


「っ、……笑ってんなよ」





────折りたたみ傘 だった。







Fin.


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