花火のように咲く、君の笑顔が見たいから
学校に着くと彗とはお互いの席も遠いため特に話す機会もなくなる。
ここから見る景色はやっぱり昨日と同じで変わらない。様々な男子が挨拶を彼にかけていく中で「うん」とか「ああ」とかしか返してなくて仮面も変わらない。
やっぱりさっきのは見間違いだったのだろうか。
あの時、一瞬見えた彼の仮面には…
____傷、いやひびだろうか。
そんなような跡が見えた気がした。
でも、今ここから見える彼の仮面は傷一つないまっさらな仮面だ。今までもそうだった。
仮面に傷がある人なんて人生で一度も見たことはない。結局きっと私の目が疲れていたのだろうとしか思えなかった。
うーん…とぐりぐり目の周りをマッサージしていると「想乃!朝練おわったよ」と明るい声が頭上から聞こえてきた。
ぱっと顔を上げると軽く汗を流しながら息を整えている唯がいた。
「お疲れ様。朝から大変だね」
「それね!バスケ自体は嫌いじゃないけどさぁ、暑いのはほんと嫌いだよ!!」
口を膨らませてむすっとしている唯だけれど仮面は「やりきった!」と言わんばかりに満足そうな表情を浮かべていた。
そんな唯が少し羨ましくもあり、こういう所が好きだった。嫌な感情じゃない。優しくて、明るい気持ちを仮面に映し出す人。
そんな事を考えていると唯がある事を思い出したかのように口を開いた。
「あ!そういえば班どうする?」
「…?なんのこと」
突然言われた言葉に戸惑ってしまう。
「え?!想乃忘れたの?もう少しで修学旅行だよ」
目をキラキラさせながら喋る唯にそういえばそんな事を先生が言っていた気がする…と先週の記憶が蘇る。
修学旅行の班…。観光をする際に5人組の男女グループを作ってほしいと言っていた。
「うーん、女子は大丈夫だと思うけど…男子どうしよっか」
正直、かわいくて明るくて話しやすい唯を目当てに同じ班になりたいという男子は少なくないだろう。
けれど唯はきっと気遣って私と話してくれるだろうしその人達にとって私は邪魔者でしかないはずだ。 ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
どうしたものか…とついため息が漏れ出そうになるもなんとか抑える。 ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
ここから見る景色はやっぱり昨日と同じで変わらない。様々な男子が挨拶を彼にかけていく中で「うん」とか「ああ」とかしか返してなくて仮面も変わらない。
やっぱりさっきのは見間違いだったのだろうか。
あの時、一瞬見えた彼の仮面には…
____傷、いやひびだろうか。
そんなような跡が見えた気がした。
でも、今ここから見える彼の仮面は傷一つないまっさらな仮面だ。今までもそうだった。
仮面に傷がある人なんて人生で一度も見たことはない。結局きっと私の目が疲れていたのだろうとしか思えなかった。
うーん…とぐりぐり目の周りをマッサージしていると「想乃!朝練おわったよ」と明るい声が頭上から聞こえてきた。
ぱっと顔を上げると軽く汗を流しながら息を整えている唯がいた。
「お疲れ様。朝から大変だね」
「それね!バスケ自体は嫌いじゃないけどさぁ、暑いのはほんと嫌いだよ!!」
口を膨らませてむすっとしている唯だけれど仮面は「やりきった!」と言わんばかりに満足そうな表情を浮かべていた。
そんな唯が少し羨ましくもあり、こういう所が好きだった。嫌な感情じゃない。優しくて、明るい気持ちを仮面に映し出す人。
そんな事を考えていると唯がある事を思い出したかのように口を開いた。
「あ!そういえば班どうする?」
「…?なんのこと」
突然言われた言葉に戸惑ってしまう。
「え?!想乃忘れたの?もう少しで修学旅行だよ」
目をキラキラさせながら喋る唯にそういえばそんな事を先生が言っていた気がする…と先週の記憶が蘇る。
修学旅行の班…。観光をする際に5人組の男女グループを作ってほしいと言っていた。
「うーん、女子は大丈夫だと思うけど…男子どうしよっか」
正直、かわいくて明るくて話しやすい唯を目当てに同じ班になりたいという男子は少なくないだろう。
けれど唯はきっと気遣って私と話してくれるだろうしその人達にとって私は邪魔者でしかないはずだ。 ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
どうしたものか…とついため息が漏れ出そうになるもなんとか抑える。 ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎