花火のように咲く、君の笑顔が見たいから
「え、想乃、大丈夫?!」
唯の心配そうな声が聞こえる。私はずきずきと痛む鼻を抑えながら「大丈夫だよ」と笑ってみせるが、顔には痛みが浮かんでいる。
すぐに元凶が近づいてきた。星崎くんだ。
「ごめん、大丈夫?」
その淡々とした口調に少しイラッとしながらも、「あぁ、うん…全然大丈夫」と無理に笑みを作って返す。
「彗、ちゃんと謝れよ…ごめんね、痛かったよね」
顔を上げると、クラスメイトの和泉宙くんがそこにいた。
星崎くんと仲が良くて、いつも一緒にいる印象がある。常に優しくて物腰も柔らかい宙くんだけどたまに彼の仮面が不満を浮かべている時があり、それが少し怖いと感じることもある。
「あはは…ほんとに大丈夫だよ。全然…あ」
鼻を抑えていた手を離すと、手には赤い血がついていた。鼻血だ。
「っ!鼻血出てるじゃん。保健室に連れていくよ」
焦った表情の宙くんの優しさに悪い人じゃないことはわかるけれど、やっぱり少し怖いし、申し訳ない気持ちになる。
「これくらいならティッシュで…」
そう言いかけた瞬間、話を遮る声が響いた。
「元々俺のせいだから、俺が連れてく。宙は残りの試合よろしく」
言葉を理解する前に、私の体は急に浮遊感を感じた。
「え…ちょっ!おろしてよ、歩けるから!」
何を思ったのか、星崎くんは私を横抱きにして何事もなかったかのように体育館を歩き出した。
「「きゃーー!!」」
周りの女子たちの歓声が響き渡り私の声は完全にかき消されている。この体勢は恥ずかしすぎる。
「ねぇ、ちょっと聞い…」
「下向いて。ティッシュ」
私の言葉を聞く気がまったくないのか、彼はほとんど単語だけで指示をしてくる。その態度に無性にイライラしてくるけれど今は仕方がない。
今は何を言うにも周りの視線が気になりすぎる。
私は顔を手で隠して、保健室にたどり着くまで大人しく待つことにした。
「なんで顔隠してんの?」
それは、目の前にいる元凶のせいだ。
唯の心配そうな声が聞こえる。私はずきずきと痛む鼻を抑えながら「大丈夫だよ」と笑ってみせるが、顔には痛みが浮かんでいる。
すぐに元凶が近づいてきた。星崎くんだ。
「ごめん、大丈夫?」
その淡々とした口調に少しイラッとしながらも、「あぁ、うん…全然大丈夫」と無理に笑みを作って返す。
「彗、ちゃんと謝れよ…ごめんね、痛かったよね」
顔を上げると、クラスメイトの和泉宙くんがそこにいた。
星崎くんと仲が良くて、いつも一緒にいる印象がある。常に優しくて物腰も柔らかい宙くんだけどたまに彼の仮面が不満を浮かべている時があり、それが少し怖いと感じることもある。
「あはは…ほんとに大丈夫だよ。全然…あ」
鼻を抑えていた手を離すと、手には赤い血がついていた。鼻血だ。
「っ!鼻血出てるじゃん。保健室に連れていくよ」
焦った表情の宙くんの優しさに悪い人じゃないことはわかるけれど、やっぱり少し怖いし、申し訳ない気持ちになる。
「これくらいならティッシュで…」
そう言いかけた瞬間、話を遮る声が響いた。
「元々俺のせいだから、俺が連れてく。宙は残りの試合よろしく」
言葉を理解する前に、私の体は急に浮遊感を感じた。
「え…ちょっ!おろしてよ、歩けるから!」
何を思ったのか、星崎くんは私を横抱きにして何事もなかったかのように体育館を歩き出した。
「「きゃーー!!」」
周りの女子たちの歓声が響き渡り私の声は完全にかき消されている。この体勢は恥ずかしすぎる。
「ねぇ、ちょっと聞い…」
「下向いて。ティッシュ」
私の言葉を聞く気がまったくないのか、彼はほとんど単語だけで指示をしてくる。その態度に無性にイライラしてくるけれど今は仕方がない。
今は何を言うにも周りの視線が気になりすぎる。
私は顔を手で隠して、保健室にたどり着くまで大人しく待つことにした。
「なんで顔隠してんの?」
それは、目の前にいる元凶のせいだ。