ひとりステージ
咲花に合ったやり方
中日である今日の午前も、体力作りからスタート。
ランニングやストレッチをしたあと、演技のレッスンをゲームっぽくしてみんなで和気あいあいとやった。
そして、午後からはいよいよ、明日のチーム劇に向けたレッスンが始まる。
と、その前に──。
「咲。いっしょにお昼寝しよー」
午前のレッスンが終わるなり、鳴海くんが抱きついてきた。
しかも、いつの間にか「咲」呼び。
「お昼寝もいいですけど、先にご飯を食べないと」
「あー、そうだった」
そう、まずはお昼ご飯。もうお腹ぺこぺこだ。
「おまえら、いつの間に仲良くなったんだよ」
うしろから、吏くんがそう声をかけてきた。
となりには、鴻上くんと鳰先輩もいる。
「咲は、おれ専用のまくらになったんですよ」
「まくら? なんだそれ」
ぽかーんとする吏くん。
すると、「まくら」の単語にヒントを得たのか、わたしの目を見てきた。
「まくらって言えば、昨日はどこで寝たんだ? 一年部屋にいなかったって聞いたぞ」
ぎくっ。