シャンパンをかけられたら、御曹司の溺愛がはじまりました
デート、のふり
「それでは作業を始めますね」
「あぁ、よろしく」
「今⽇も飾りつけが終わったら、お茶しましょうね!」
⼀花は苦笑しながら、うなずいた。
貴和⼦のソフトな強引さに負け続けて、お茶を断ることはすでにあきらめていたのだ。
昨夜考えていたデザインを頭の中で修正する。
秋⾊ミナヅキが無事だったので、メインにはそれを据えた。
この時期、秋⾊ミナヅキは⽩から⻩緑、ダスティーピンク、マゼンダへと紅葉していく。
⾊の変化がとても美しい。
そこに、⾚い実をつけたノイバラや数本のバラでアクセントを作る。
ユーカリの葉でバランスを整えたら、師匠にも合格点がもらえそうな装花になった。
「素敵ねー! 私、このくすんだようなピンクがとても好きなの。それとユーカリの葉の組み合わせがとてもいいわ」
「それはよかったです」
「これはなんていうお花なの? 紫陽花?」
「紫陽花の⼀種です。秋⾊ミナヅキっていうんですよ。最初は⽩いのに、だんだんこうやってピンクに染まっていくんです」
様⼦を⾒に来た貴和⼦が喜んでくれたので、⼀花もうれしくなる。
彼⼥はいつも褒めてくれるので、やりがいがあった。
道具や什器を⽚づけたあと、お茶に誘われる。
リビングでは、颯⽃がコーヒーを飲んでいた。
彼の隣にかけるように⾔われて⼀花が腰を下ろすと、貴和⼦が向かいに座った。
すぐに使⽤⼈が紅茶とケーキを出してくれる。
今⽇のお菓⼦は和栗のモンブランだった。
濃厚な栗の味に、絶妙な⽢さの⽣クリームがブレンドされ、とんでもなく美味しい。
⽬を細めてうっとりする⼀花を⾒て、颯⽃がおもしろそうにしている。
「本当に⽢いものが好きなんだな」
「はい。毎⾷ケーキでもいいくらいです」
⼀花がなにげなく⾔うと、颯⽃は⽬を⾒開いた。
「そこまでか。じゃあ、今度、とびきり美味しいショートケーキを⾷べに連れていってやろうか? ケーキのためだけにこだわりのイチゴを栽培するところからやっている店があるんだ」
「本当ですか!?」
⼀花は⽬を輝かせる。うんうんと何度もうなずいて、同意を⽰した。
(そんなところ、⾏きたいに決まってる!)
先ほど⾔っていた恋⼈のふりの⼀環だろうが、これは役得だと⼀花は興奮した。
「あぁ、よろしく」
「今⽇も飾りつけが終わったら、お茶しましょうね!」
⼀花は苦笑しながら、うなずいた。
貴和⼦のソフトな強引さに負け続けて、お茶を断ることはすでにあきらめていたのだ。
昨夜考えていたデザインを頭の中で修正する。
秋⾊ミナヅキが無事だったので、メインにはそれを据えた。
この時期、秋⾊ミナヅキは⽩から⻩緑、ダスティーピンク、マゼンダへと紅葉していく。
⾊の変化がとても美しい。
そこに、⾚い実をつけたノイバラや数本のバラでアクセントを作る。
ユーカリの葉でバランスを整えたら、師匠にも合格点がもらえそうな装花になった。
「素敵ねー! 私、このくすんだようなピンクがとても好きなの。それとユーカリの葉の組み合わせがとてもいいわ」
「それはよかったです」
「これはなんていうお花なの? 紫陽花?」
「紫陽花の⼀種です。秋⾊ミナヅキっていうんですよ。最初は⽩いのに、だんだんこうやってピンクに染まっていくんです」
様⼦を⾒に来た貴和⼦が喜んでくれたので、⼀花もうれしくなる。
彼⼥はいつも褒めてくれるので、やりがいがあった。
道具や什器を⽚づけたあと、お茶に誘われる。
リビングでは、颯⽃がコーヒーを飲んでいた。
彼の隣にかけるように⾔われて⼀花が腰を下ろすと、貴和⼦が向かいに座った。
すぐに使⽤⼈が紅茶とケーキを出してくれる。
今⽇のお菓⼦は和栗のモンブランだった。
濃厚な栗の味に、絶妙な⽢さの⽣クリームがブレンドされ、とんでもなく美味しい。
⽬を細めてうっとりする⼀花を⾒て、颯⽃がおもしろそうにしている。
「本当に⽢いものが好きなんだな」
「はい。毎⾷ケーキでもいいくらいです」
⼀花がなにげなく⾔うと、颯⽃は⽬を⾒開いた。
「そこまでか。じゃあ、今度、とびきり美味しいショートケーキを⾷べに連れていってやろうか? ケーキのためだけにこだわりのイチゴを栽培するところからやっている店があるんだ」
「本当ですか!?」
⼀花は⽬を輝かせる。うんうんと何度もうなずいて、同意を⽰した。
(そんなところ、⾏きたいに決まってる!)
先ほど⾔っていた恋⼈のふりの⼀環だろうが、これは役得だと⼀花は興奮した。