シャンパンをかけられたら、御曹司の溺愛がはじまりました
「そう⾔ってもらえるとありがたいな。それじゃあ、装花が終わったら、ランチでも⾏くか?」
「はい!」

 いつもの装花が終わったタイミングで、颯⽃に連れ出され、本格窯焼きピッツァの店に連れ
 ていってもらった。
 ⾼温で焼き上げられたピッツァの⽣地は表⾯はカリッ、中はもちもちで、チーズが⾹ばしい。
 何枚でも⾷べられそうで、⼀花の⼿は⽌まらなかった。

「来週は遠出になるが、時間は⼤丈夫か?」

 颯⽃が予定の確認をしてくる。
 前に聞かされていた美味しいショートケーキを⾷べられると思い、⼀花の顔に笑みがこぼれた。

「はい! もともと翌⽇は休みにしてるので、どうにでもなります」
「そうか、よかった。葉⼭のほうなんだ」
「葉⼭! オシャレなイメージしかありません。楽しみです」

 ⼀花は⽬を輝かせる。
 実家が千葉にある彼⼥はそちらの⽅⾯には⾏ったことがない。
 テレビやSNSでお⾦持ちの別荘やオシャレなお店が多いと⾒たことあり、⾏ってみたいと思っていた。

「絵が好きなら、眺めのいい美術館があるんだが」
「⾏きたいです! 絵は詳しくないのですが、⾒るのは好きなんです。装花のインスピレーションになったりしますし」
「わかった。では、そこにも⾏こう」

 こんなふうに⾷事をしながら話していると、本当に恋⼈同⼠がデートの予定を⽴てているみたいだと⼀花は照れくさくなってきた。
 しかも、相⼿は颯⽃のように素敵な男性だ。ときめいてしまっても仕⽅がない。

(うっかりその気にならないように気をつけなくちゃ)

 ⼀花だったら⼤丈夫そうだと、颯⽃は安⼼していた。その信頼に応えなくてはと思った。
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