情炎の花〜その瞳に囚われて〜
そしてドーンと雷が物凄い音を立てて稲妻を光らせたと思えば、バケツをひっくり返したような雨が急に降り出した。
嘘でしょ…⁈
「やっべぇな。とりあえず移動しよう」
そう言って、ヘルメットをもう一つ出したと思えば私にズボッとヘルメットを被せると、ヒョイっと持ち上げられて後ろのシートに乗せられた。
大きなバイク。
これ、アメリカ製の有名なバイクだ。
その間もニャーニャーと鳴く子猫。
あ、濡れちゃう。
私は血だらけになる覚悟で着ていたティシャツの中に猫を入れて、その上からキュッと抱きしめた。
「掴まれそう?」
「あ、はい。し、失礼します」
私はそう言って片手だけをその男性のお腹に回した。
「よし。行くぞ」
男性はすぐにバイクを発進させた。