情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「あ!」

突然声を上げる私に驚く玄。

「私、何日寝てたの?」

「二日」

二日⁈

「ヒョウが! ヒョウが待ってる!」

「彪?」

玄は眉間にシワを寄せる。

「帰らないと!」

慌てて起き上がろうとすれば、玄に止められる。
腹部が痛み顔が歪む。

「彪の所に行くのか? 俺の事、好きなんだよな?」

両肩を抑えられ覗きこむように質問される。

「え?」

ポカンとする私。
ヒョウの所に行くのと私が玄を好きなのは何か関係あるの?

「ダメだ。行くな。俺といろ」

「で、でも…ヒョウが待ってる…」

二日も家でご飯も食べれていない。

「彪は友達だろ?」

友達? まぁ、友達かな。
家族って感じだけど、まぁ、友達でもあるか。

コクっと頷いた。

「んじゃ俺といろ」

「無理だよ! 死んじゃうよ!」

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