情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「死なねぇよ」

「お腹空いてるって! エサあげないと!」

「は? エサ?」

玄はポカンとしている。

「エサ! 二日もあげてない! 家できっと待ってる!」

「彪って?」

「猫だよ! 私、ヒョウ柄の猫飼ってるの!」

すると玄は目を大きく開けたと思えば、それはそれは大きなため息をはいた。

「なんだよ。…わかった。俺が行ってくるから。お前はまだ動いちゃダメだ。いいな?」

「え? いいの?」

「ああ。ちゃんとエサもやってくる。お前が入院してる間は俺が預かるから」

「ありがとう…」

「ったく。びっくりさせんなよ。ちょっと、ドクターと話してくる。少し寝とけ」

そう言って私に布団を掛け直すと、オデコにキスをして微笑んでから病室を出て行った。

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